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  1. 東京都議会 1991-11-05
    1991-11-05 平成3年住宅港湾委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時八分開議 ◯大沢委員長 ただいまから住宅港湾委員会を開会いたします。  初めに、請願の取り下げについて申し上げます。  お手元配布のとおり、請願二第七六号の二につきましては、議長より取り下げがあった旨の通知がありました。ご了承を願います。      ━━━━━━━━━━ ◯大沢委員長 次に、十一月、十二月の委員会につきましては、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。よろしくお願いをいたします。  本日は、住宅局関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。  これより住宅局関係に入ります。  初めに、理事者の欠席について申し上げます。  太田開発調整部長は、公務出張のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がございました。ご了承を願います。  次に、報告事項の聴取を行います。  理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 ◯篠木総務部長 お許しをいただきまして、東京都住宅対策審議会の意見具申につきましてご報告を申し上げます。  お手元にお届けしてございます資料の1、東京都住宅対策審議会の意見具申について(概要)をごらんいただきたいと存じます。この資料に基づきまして、ご説明を申し上げます。  全体の構成でございますが、最初の1は意見具申の趣旨、次の2は内容という形で記載してございます。  まず1の意見具申の趣旨でございますが、今後の区市町村住宅マスタープランの策定が本格化するに際しまして、東京都住宅対策審議会として、区市町村の住宅対策の現状と課題を分析するとともに、都と区市町村の役割分担について検討し、区市町村の住宅対策に対する支援策のあり方を緊急提言するというものでございます。  次に、2の内容でございますが、まず1といたしまして都と区市町村の役割分担のあり方、2といたしまして支援策の基本的方向、次に二枚めくっていただきますと、最後のページになりますが、3といたしまして都及び国に対する要請の三項目で構成されてございます。  恐縮でございますが、最初のページに戻らせていただきまして、1の都と区市町村の役割分担のあり方からご説明させていただきます。  まず(1)の基本的な考え方でございますが、ここでは住宅政策を総合的に展開していくためには、都と区市町村が適切に役割分担を図りつつ、有機的な連携のもと、一体的に施策の推進に取り組むことが望ましいといたしまして、次のような役割分担のもとに、都は、区市町村の住宅対策の現状や課題を踏まえ、区市町村と緊密な連携を図りながら、的確な支援策を講じるべきであるとしているところでございます。  以下(2)の都の役割、(3)区市町村の役割、及び(4)の都の支援の原則に分けて、それぞれ説明欄に記載してございます。内容につきましてはごらんいただきたいと存じます。
     次に、2の支援策の基本的方向でございます。  まず(1)でございますが、公共住宅供給への支援策について触れてございます。  (1)といたしまして、住宅マスタープラン土地利用転換誘導ゾーンにおきまして、工場、倉庫等の大規模な土地利用転換に伴う利用計画に際しまして、区市町村が公共住宅の供給を組み込もうとする場合には、用地取得費の起債償還に対する利子補給などを行うことというものでございます。  (2)でございますが、都心居住回復ゾーンなどにおける都の公共施設等との合築に際しまして、現行の都有地貸付条件の改善を検討すること。また、区の公共施設と住宅との合築などに際しまして、公団の公営賃貸用特定分譲住宅制度の活用により区民住宅等を供給する場合、長期割賦にかかわる支払い利息の軽減のための利子補給制度を導入すること。  次の二ページをごらんいただきたいと存じます。(3)でございますが、農住型市街地形成ゾーンなどにおいて、借り上げ方式や借地方式による区民住宅等の供給を促進し、地域特別賃貸住宅制度と組み合わせた都による支援策を検討することというものでございます。  (4)でございますが、区市町村住宅のストックの水準向上のため、都営住宅の建てかえに準じた家賃の激変緩和等にかかわる支援措置を制度化すること。  (5)といたしまして、区市町村にかかわる高齢者住宅対策のうち、特にシルバーピア住宅供給計画の策定に当たりましては、地域の要望に応じて適切に支援できるよう、長期計画の計画戸数をできる限り前倒しする方向で検討することというものでございます。  (6)でございますが、区市町村にかかわる障害者住宅対策といたしまして、障害者向け借り上げ公共住宅制度の創設に向けての国の動向も考慮しながら、都としての支援策を検討するなど、障害者の住宅対策を充実することなどを提言しているところでございます。  次の(2)でございますが、複合開発による住宅供給促進でございます。これは区部を中心といたしまして、都市更新に際し、いわゆる複合開発の手法により商業・業務系用途の上部空間を住宅供給のためのいわゆる種空間として活用していくことが、貴重な都市空間の有効利用や高地価を反映させないための工夫という観点から重要であり、そのための新しい手法を導入する必要があるといたしまして、複合開発方式による住宅供給事業を促進する新しい手法として、複合空間活用型区民住宅等供給促進事業、これは仮称でございますが、この事業を創設することを提案しているところでございます。  次に(3)でございますが、居住継続への支援についてでございます。居住継続のための区独自の家賃補助に対しまして、都は次のような考え方のもとに支援を検討する必要があるとしてございます。  (1)といたしまして、都市更新に伴う従前居住者の再入居や住みかえに際し、家賃の激変緩和を図るための家賃補助制度を導入すること。  (2)といたしまして、居住水準の向上を主なねらいとするファミリー世帯向け住みかえ家賃補助については今後とも引き続き検討すること。  (3)でございますが、新婚世帯向けの家賃補助については、定住促進等の効果について、今後の推移を慎重に見守ることを提言しているところでございます。  次に(4)の地域レベルの住宅市場の誘導と住宅まちづくりへの支援についてでございます。区市町村が公共部門の一翼を担って地域レベルの住宅市場に積極的に介入することは望ましいという視点から、都は区市町村に対し必要な情報提供や助言などを行うことにより、区市町村レベルの住宅白書の作成を促すよう努めることなど、四項目について記載しております。ごらんをいただきたいと存じます。  次に、最後の三ページに移らせていただきます。3の都及び国に対する要請についてでございます。  まず(1)の都に対する要請につきましては、この意見具申の趣旨を踏まえ、区市町村の住宅対策に対する支援策を早急に具体化することを挙げております。  (2)の国に対する要請についてでございますが、住宅用地の供給促進策の拡充など四項目を挙げているところでございます。それぞれごらんいただきたいと存じます。  また、(3)のその他でございますが、ここでは都市計画中央審議会計画制度部会中間報告について触れております。内容につきましては、ごらんいただきたいと存じます。  以上、大変雑駁でございますが、ご報告とさせていただきます。  なお、意見具申の本書も参考としてお手元にお届けしてございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。  以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯大沢委員長 報告は終わりました。  なお、本件に対する質疑は、後ほど行う事務事業に対する質疑の際、あわせて行いたいと思います。ご了承を願います。  次に、事務事業に対する質疑を行います。  本件につきましては、既に説明は聴取してあります。その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯篠木総務部長 去る十月三日開会の当委員会におきましてご要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。  お手元にご配布してございます資料の2、住宅港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。  表紙の次、目次をごらんいただきたいと存じます。ご要求のございました資料は、目次記載のとおり二十七項目でございます。以下、順を追ってご説明をさせていただきます。  一ページをお開きいただきたいと存じます。1は、昭和五十六年から平成二年までの十年間の、世帯当たりの年間実収入、住宅ローン平均返済月額及び民間住宅等の家賃の推移についてでございます。  一番上の昭和五十六年の欄でご説明申し上げます。世帯当たりの年間実収入は勤労者世帯で四百七十三万二千八百八十四円、住宅ローン返済月額の平均は七万四千百九十二円となっております。また、民間の平均家賃は三・三平方メートル当たり四千七百四十七円、都営住宅家賃につきましては、最高三万八千五百円、平均一万八千四百二十一円、最低五千二百円、一番右側でございますが、公社賃貸住宅の平均家賃は一万九千百三十一円となっているものでございます。  以下平成二年度まで記載してございますので、同様にごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外の(注)に記載してございますように、世帯当たりの年間実収入及び住宅ローン返済月額の平均は、東京都総務局の「都民のくらしむき」により、また、民間の平均家賃は、総務庁統計局の「小売物価統計調査年報」の東京都分によるものでございます。また、都営住宅及び公社住宅の家賃は、各年度の数値を使用しているところでございます。  次の二ページに移らせていただきます。2は、複合開発による市街地住宅供給に係る国の制度、都内の実績及び今後の方針を記載してございます。  市街地再開発事業以下五つの事業につきまして、その目的及び過去三ヵ年間の都内の実績、また各事業における都の今後の方針を記載してございますが、内容につきましてはそれぞれごらんをいただきたいと存じます。  三ページに移らせていただきます。3は、住宅政策懇談会提言事項に対する平成三年度取り組み状況についてでございます。この資料は、表頭にございますとおり、提言事項、主な事業内容、予算の措置状況及び備考の四つに区分して記載してございます。  提言事項の1の住宅マスタープランの策定の欄でご説明いたしますと、まず主な事業内容でございますが、都の住宅マスタープランの策定と区市町村住宅マスタープランの策定に関する指導の二つでございまして、予算措置状況は、委託調査費五千万円、策定助成費三億三千九百万円を計上しているところでございます。  なお、都の住宅マスタープランの策定は本年七月に策定が完了し、さきの委員会にご報告を申し上げた次第でございます。  以下、2の区部中心部における住宅立地の確保、3の都市更新の住宅供給型への誘導、4の住宅用途の維持と転用防止、5の高齢者、障害者などへの支援策の拡充、次の四ページをお開きいただきたいと存じますが、6のすぐれた民間住宅の供給へ向けた市場の誘導、7、新しい工夫による公共住宅の供給促進、8、公共住宅制度の改善、9、住宅基本条例の制定の検討、10、住宅白書の作成、以上約十項目が提言されているわけでございます。それぞれの内容につきましては、右側に記載してございますので、ごらんをいただきたいと存じます。  なお、一番右側の備考欄に所管局が記載されておりますが、記載されていない部分はすべて住宅局が所管しているものでございます。  五ページに移らせていただきます。4は、東京都住宅基本条例(仮称)の検討状況でございます。この資料は、住宅政策懇談会報告の内容、平成三年十月一日現在における検討の内容及び検討の経過を記載してございます。  最初の住宅政策懇談会報告の内容につきましては、ごらんいただきたいと存じますが、次の真ん中の欄でございますが、検討の内容でございます。懇談会報告を受けまして住宅局内で検討しているところでございますが、その内容といたしましては、まず(1)でございますが、現行の東京都住宅建設条例の施策の目標及び体系の問題点の検討を行ってございます。(2)で、こざいますが、住宅政策懇談会の提言によります基本的施策を踏まえました条例の性格及び条例に盛り込むべき内容等でございます。この二点を中心に住宅局内で検討してきていたところでございます。  検討の経過といたしましては、先ほど申し上げましたように、現在住宅局内にプロジェクトチームを設置いたしまして、各区の住宅基本条例等の収集及び分析等の検討を行っているところでございます。  なお、十月三十日に開催いたしました東京都住宅対策推進本部会議で、東京都住宅基本条例制定のためのプロジェクトチームの設置が決定されましたので、今後は全庁的な体制で検討に取り組むことになりましたので、この機会に追加して説明をさせていただきます。  次に、六ページに移らせていただきます。5は、特別区における住宅基本条例でございます。  この資料は、平成三年十月一日現在における各特別区の住宅基本条例の名称、施行日、目的等及び主な内容を記載してございます。六ページには世田谷区、中央区、新宿区を、次の七ページに品川区、港区、台東区について記載してございます。それぞれごらんをいただきたいと存じます。  八ページに移らせていただきます。八ページの6は、特別区における高齢者世帯等住みかえ家賃助成事業、これは福祉局の所管でございますが、この実施状況についてでございます。  この表は、平成三年八月末日現在における各区ごとの家賃助成の実施状況を記載したものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  九ページに移らせていただきます。7は、公営住宅に係る居住水準の推移と都の住宅対策でございます。  一番上の(1)は、公営住宅の居住水準の推移でございまして、昭和五十八年と六十三年の住宅統計調査を比較してお示ししてございます。中段の(2)は、第五期住宅建設五箇年計画における都営住宅等の建設実績を新規、建てかえ、地域特別賃貸住宅及び住宅改善別に記載してございます。一番下の(3)は、平成二年度における都営住宅等の一戸当たりの標準の専用面積を記載してございます。それぞれごらんをいただきたいと存じます。  次に、一〇ページに移らせていただきます。8は、特別区における住宅附置に関する指導要綱の概要と実績についてでございます。この資料は、中央区、港区、文京区、台東区、新宿区及び品川区の六区につきまして、各区ごとに根拠要綱名、施行年月日、適用範囲、協議、附置すべき住宅の要件、要綱違反の措置及び平成三年三月末日現在の実績件数と戸数を記載してございます。内容につきましては、それぞれごらんをいただきたいと存じます。  一一ページに移らせていただきます。9は、都市計画中央審議会及び建築審議会の中間報告の主な内容でございます。  この資料は、上段に平成三年八月八日の都市計画中央審議会計画制度部会からの中間報告を、下の段に平成三年七月二十九日の建築審議会建築行政部会からの中間報告を記載してございます。都市計画中央審議会につきましては、経済社会の変化を踏まえた都市計画制度はいかにあるべきかを、また、建築審議会につきましては、市街地における建築物の用途規制等のあり方についてをそれぞれ諮問しておりまして、この両審議会の中間報告につきまして、その目的及び主な内容を記載しているものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  一二ページに移らせていただきます。10は、民間賃貸住宅家賃の低廉化の諸方策を優良民間賃貸住宅制度の活用による場合について記載してございます。  民間賃貸住宅家賃の低廉化の諸方策につきまして、上段を、建設費への助成による建設コストの低減、また下段を、入居者への家賃補助による初期家賃の低減として、それぞれの家賃の低廉化の諸方策についてお示しをしているものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  一三ページに移らせていただきます。11は、民間資金による住宅着工の推移についてでございます。  この表は、昭五十六年から平成二年までの十ヵ年の民間資金による住宅着工戸数と昭和五十六年を一〇〇とした各年の指数を記載してございます。ごらんいただきたいと存じます。  なお、この資料は欄外に記載してございますとおり、都市計画局の建築統計年報によるものでございます。  一四ページに移らせていただきます。12は、都営住宅標準建設費における材料費と労務費の構成比でございます。  この資料は、都営住宅の標準建設費につきまして、昭和六十一年度から平成二年度までの五ヵ年の材料費との割合を、中高層別に記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外の(注)に記載してございますとおり、各年度とも四月一日現在の構成比でございます。また、中層とは四階ないし五階建てでございまして、高層は九階から十一階建てを示してございます。  一五ページに移らせていただきます。13は、公社賃貸住宅の建てかえ計画及び居住者の主な要望と対応策についてでございます。  この資料は、公社賃貸住宅の建てかえにつきまして、対象住宅、事業計画、建てかえ事業の実施に当たっての居住者の主な要望とその対応策、それぞれにつきまして平成三年九月末日現在で記載しているものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  一六ページに移らせていただきます。14は、シルバーピアと高齢者在宅サービスセンターの建設計画と実績についてでございます。  この資料は、シルバーピアの長期計画とその実績及び供用開始の時期を、昭和六十二年度から平成三年度までの五ヵ年間につきまして、事業主体別に地区数と戸数を記載してございます。なお、平成三年度分につきましては、九月末日現在の見込み数でお示ししてございます。ごらんをいただきたいと存じます。  また、欄外の(注)に記載してございますとおり、括弧内の数は、高齢者在宅サービスセンターを併設する地区数及び住宅数で、内数となってございます。  一七ページに移らせていただきます。15は、主要建設資材の価格指数についてでございます。  この表は、都営住宅建設に使用する主要な資材でございます鋼材、鉄筋、生コンクリート、木材につきまして、昭和五十六年の価格を一〇〇としたときの各年の指数を平成二年までの十ヵ年につきまして記載しているものでございます。ごらんいただきたいと存じます。  なお、この資料は、財団法人経済調査会発行の「積算資料」の一九八二年版から一九九一年版によるものでございます。  一八ページに移らせていただきます。16は、都営住宅の戸当たり標準建設費の推移についてでございます。  この資料は、昭和五十六年から平成二年度までの十ヵ年間につきまして、都営住宅の戸当たりの規模及び標準建設費を種別、中高層別に区分して記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  次の一九ページに移らせていただきます。17は、住宅建設資金融資あっせん事業の執行状況でございます。  この資料は、昭和五十六年度から平成二年度までの十ヵ年間の住宅建設資金融資あっせん事業の執行状況につきまして、自己用住宅、賃貸用住宅及びその合計を、予算戸数、申込戸数、実績戸数に区分してそれぞれ記載しているものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  次の二〇ページに移らせていただきます。18は、木造賃貸住宅地区整備事業の対象地区と実績についてでございます。  この資料は、平成三年三月末日現在の木造賃貸住宅地区整備事業の対象地区と、地区ごとの面積、建設戸数、用地取得面積を記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  二一ページに移らせていただきます。19でございますが、都営住宅、都民住宅、公社住宅の建設計画と実績の推移についてでございます。  この資料は、昭和五十六年度から平成二年度までの十ヵ年の都営住宅、都民住宅、公社一般賃貸住宅の計画戸数と実績について記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外の注に記載してございますとおり、都民住宅の都施行分はすべて地域特別賃貸住宅A型でございまして、公社施行等には地域特別賃貸住宅B型を含んでございます。  二二ページに移らせていただきます。20は、都営住宅用地の持ち込み、買収及び保有状況でございます。  (1)は、持ち込み、買収状況についてでございます。この資料は、平成三年九月末日現在の都営住宅用地の持ち込み、買収状況を一般及び公拡法、生産緑地法と合計欄に区分し、それぞれの持ち込み状況、買収状況につきまして記載してございます。ごらんいただきたいと存じます。  (2)の保有状況でございますが、平成三年三月末日現在の都営住宅用地の保有状況で、箇所数は十三ヵ所でございます。その面積は十九万二千二百九十平方メートルとなっているところでございます。  二三ページに移らせていただきます。21は、都営住宅の建てかえ計画と実施状況でございます。  まず上段の(1)は、今後の建てかえ事業の対象と計画でございます。この資料は、平成三年三月末日現在の建てかえ対象の建物を木造、簡易耐火造、中層耐火造に区分し、それぞれの建てかえ計画を記載してございます。  下の段の(2)は、建てかえ事業の実施状況でございます。この資料は、昭和五十六年度から平成二年度までの十ヵ年の建てかえ団地の従前戸数、建てかえ戸数、差し引き増加戸数に区分し、記載しているものでございます。ごらんをいただきたいと存じます。  二四ページに移らせていただきます。22は、都営住宅団地内における公共施設等設置状況でございます。  この資料は、平成三年十月一日現在の設置済みの公共施設につきまして、施設ごとに分類し、それぞれの運営主体を都、区、市町、社会福祉法人等に区分して記載しているものでございます。ごらんいただきたいと存じます。  なお、欄外に記載してございますとおり、公園は除かせていただいてございます。  二五ページに移らせていただきます。23は、都営住宅使用料の収入状況についてでございます。  この資料は、昭和六十一年度から平成二年度までの五年間の調定額、収入済額、還付未済額、不納欠損額、収入未済額に区分し、それぞれ記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外に記載してございますとおり、件数は延べ月数でお示ししてございます。  二六ページをお開きいただきたいと存じます。24は、都営住宅の駐車場設置状況と今後の設置方針についてでございます。  上段の1は、平成三年十月一日現在の駐車場の設置状況でございまして、地区、団地数、戸数、設置台数、設置率を記載してございます。ごらんいただきたいと存じます。  なお、欄外(注)に記載してございますとおり、この表の設置台数以外に身体障害者用自動車保管場所として、千八百七十二台分をそれぞれの団地に設置しているところでございます。  次の2でございますが、今後の設置方針でございます。大変恐縮でございますが、ごらんいただきまして、説明は省略させていただきます。  二七ページに移らせていただきます。25は、都営住宅の応募状況の推移(都公募分)についてお示ししてございます。  昭和六十一年度から平成二年度までの五ヵ年間の新築及び空き家につきまして、年度別に、一種、二種別募集戸数、申込者数、倍率及び最高、最低倍率を記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外(注)に記載してございますとおり、各年度とも十月新築住宅公募及び五月空き家住宅公募の状況でお示ししております。  二八ページをお開きいただきたいと存じます。26は、不動産取引相談等の実績でございます。  この資料は、昭和六十一年度から平成二年度までの五ヵ年間の本庁における業者名簿閲覧及び不動産取引相談と、新宿、上野、立川の各不動産相談室における相談件数を記載してございます。ごらんをいただきたいと存じます。  なお、欄外に記載してございますとおり、立川不動産相談室は平成元年五月に開設いたしたものでございます。
     二九ページに移らせていただきます。27は、首都圏貸家の入居条件についてでございます。  入居の際の条件につきまして、特に条件はないが五五・六%、独身者のみ可が二〇・一%、以下同様にごらんいただきたいと存じます。  なお、欄外に記載してございますとおり、この資料は、建設省住宅局がまとめました「昭和六十三年度貸家供給実態調査結果」によるものでございます。  以上をもちまして、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯大沢委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料とあわせて、事務事業に対する質疑を行います。  なお、先ほどの報告事項に対する質疑もあわせて行いますので、ご了承を願います。  それでは、発言を願います。 ◯青木委員 今、いろいろご説明をいただいた資料と事務事業の概要、また住宅マスタープランや住対審の意見具申など参考にさせていただきながら、大ざっぱに基本的な問題にかかわってご質問させていただきます。  まず最初に、東京都住宅局としては、東京都における住宅問題とはどのように受けとめていらっしゃるのか、何が問題だということで今取り組んでいらっしゃるのかということについて、最初にお答えをいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 戦後、急速に人口が増加しました大都市圏、とりわけ東京にとりまして、住宅問題は常に深刻な問題であったと認識をいたしてございます。これを現時点に立ちまして総括しますと、東京の住宅問題にはおおむね三つのカテゴリーがあると考えております。  第一は、従来から積み残された問題でございます。例えぱ、最低居住水準未満居住が一七・七%あるというように居住水準の低さの問題、それからまた木造賃貸住宅密集地区約七千ヘクタールということに象徴されますように、住環境が不十分であるという問題、さらに、住居費負担が全国に比べまして約一・五倍というふうに相対的に重いという問題でございます。  第二は、最近の地価高騰あるいは東京の構造変化に伴う問題としまして、業務系の利用によりまして住宅系用途が駆逐される、あるいは、例えば区部中心部での定住人口の減少の問題、さらに高齢者等の居住継続が困難になってきているという問題、こういったような問題がございます。  第三に、今後の新たな課題としまして、高齢化の進展などの経済社会の変化への対応などが将来の課題としてある、このような認識のもとで考えております。 ◯青木委員 今お答えいただいた中で、住宅マスタープランなどを見ますと、例えば従来から積み残された問題として、住宅費負担が全国に比べ相対的に重いというお答えがございました。マスタープランの中では、東京都が直接関与する住宅は収入の二五%以内の家賃ということが記されているわけですけれども、今いわゆる都市生活についての都民の意識調査などを見ても、住宅政策について一位か二位、社会福祉政策と並んで都民の大変関心事でありますが、その中で特に、一つは住宅費の負担ということについての意識というのは大変多いと思うわけですが、この辺について、全国平均と比べて相対的に重いというこの六万八千円という平均額、実感としてはもっと重たいという実態と、あと実際には持ち家をあきらめざるを得ないという実態がこの事務報告にもございますね。持ち家の一ヵ月当たりローン返済額が、五十九年一月以降に取得すると、二五%以上の方が十五万円以上の負担をしなければならない、平均十二・三万円という重たい実態があるわけですが、この辺について、実態として確かにこれだけ総花的にいろいろやらなければいけないというのはわかりますが、特に住宅費の負担ということについて、どのくらいに重く受けとめていらっしゃるのかというのを再度伺いたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 住宅価格の問題についてでございますけれども、昭和五十年代後半は、都民がおおむね年収の五倍ないし六倍でマンションを取得することができた。しかしながら、昭和六十年以降の地価高騰によりまして、例えば昭和六十三年のデータですと、マンション価格が年収の十二倍にも上っているというような状況でございます。極めて持ち家の取得が困難になっているということでございまして、大変厳しい問題である、このように認識をいたしております。 ◯青木委員 そこで伺いたいわけですが、都民がよい環境で住み続けていくための施策というのは、既に自己責任では済まなくなっている。東京都を初め行政の責務というふうに確認をしなければいけない事態になっていると思いますが、その点についての受けとめ方をお答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 住宅というものの経済学的な財の性格を申し上げますと、あくまでこれは個人財でございますので、基本的にはその利用が個人に専属的になってくる、こういった性格を持ってございます。基本的には個人財でございますけれども、一方で年宅が集合して存在する姿、これはまさに都市の基盤そのものでございますので、そういった面から、とりわけ高密度都市東京におきましては、住宅というものが一方で社会的な性格を持ってくる、こういうような性格づけもできるわけでございます。そういう観点から、住宅市場の活性化、あるいは良質な民間住宅の誘導というような方面等につきまして、当然住宅行政として十分市場に介入しながら、今後積極的な対策に取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◯青木委員 今出されておりますさまざまな施策は、もちろん原因があって進めなければいけないというふうになったと思うんですが、先進諸外国と比較して、良好な住宅の確保というのが、日本、特に東京は大変困難な事態に至っているわけですが、それはどのような政策の違いによるかということをご研究なさっているというふうに伺いましたので、その政策の違いについての認識を伺わせていただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 諸外国との住宅事情の比較をします場合に、政策以前の問題としまして、都市形成の歴史そのものにさかのぼって考える必要がある、このように考えております。例えば、ヨーロッパでは都市は古代ギリシャ、ローマ以来、城壁都市として、また市民自治を基本とする都市国家として成立し、発展してまいりました。このような中で、都市における住まい方として、集合住宅における共同居住、これがコモンセンスとして形成されてきているというようなことがございます。  また、例えば絶対主義の時代におきましては、強力な専制的王権のもと、集積した富を都市のインフラストラクチャーに集中投資してきた、そのことが今日のヨーロッパの都市の良好な住環境の背景となっている、こういった点もあるわけでございます。  さらに、ヨーロッパでは石の文化といわれますように、堅固な建物構造を基本としながら、長期的な資産としての住宅を含む都市づくりが行われてございます。したがいまして、例えば都市計画におきましても、一般的な用途規制ではなく、地区詳細計画という手法によりまして、建築物の用途、形態あるいはデザイン、こういったような点が細かく規定されました。十七世紀あるいは十八世紀ごろから、計画なきところに建築なし、このような原則が確立されているわけでございます。そういった点から申しまして、基本的には政策の問題といいますよりは、やはり長い歴史の積み重ねという中で、とりわけヨーロッパとの差が出ている、このような考え方をとっているわけでございます。 ◯青木委員 先ほどの行政の責務というところと、今のお話とをつなげてお話を伺うと、私が先ほどから申し上げているのは、個人の財産としての住宅というより、住み続ける、住むということについての都民の権利、または都民に対しての保障という観点から見たときの政策の違いということについて伺いたかったわけです。特に公共住宅の数、全体の市場におけるキャパシティーというか、この辺についてかなり西ドイツなどでは進んだ政策をとっているというふうに伺っておりますが、その辺について、もしも学ぶところがあれば、東京としては何を学ぶべきかということをどのように受けとめていらっしゃるか、ご回答いただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 ヨーロッパ諸国での公共住宅政策につきましては、各国で相当な違いがございます。例えば、イギリスでは一九〇〇年代前半から公共住宅の建設管理ということを地方公共団体が中心となって行ってまいりました。その結果、全住宅ストックのおおむね三〇%が公共住宅となっているという状況でございますが、一方で最近十年間ほどの状況では、前サッチャー政権のもとで、むしろ公営住宅を削減し、例えば、持ち家あるいは良質な民間住宅の供給、こういった点に重点が移ってまいっております。  一方、例えばドイツでは、地方公共団体が公共住宅をみずから建設するということは、公務員住宅以外は行ってございませんで、むしろ民間の住宅市場の中で供給される良質な民間賃貸住宅を、例えば利子補給でございますとか、あるいは減税でございますとか、さらには補助でございますとか、さまざまな手法を駆使しながら、社会住宅、ゾチアルボーヌンクといってございますが、そういったような方式で、民間住宅市場の中でできる限り社会的なメカニズムをつくるというような、そういった考え方を中心にしながら施策を進めてございます。  そこで、私ども考えまするに、公共住宅の直接供給と、それから持ち家取得のための政策、その中間にあるものとしまして、東京の中で大半を占める民間賃貸住宅市場、これをできるかぎりセミパブリック、準公共住宅的な発想のもと、できる限り良質で、かつ適正家賃の住宅になるように、そういったような観点からの政策を今後鋭意推進しなければならない、とりわけドイツの制度というものは大いに参考にしなければならない、このように考えております。 ◯青木委員 今大変な問題になっております東京の一極集中ということがございます。都心三区、または七区の現状にかんがみましても、この一極集中を是正するための住宅政策というのはどのようにとられてきたのかということをお答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京への一極集中を是正するための住宅対策についてのお尋ねでございますけれども、東京の一極集中問題につきましては、過度の業務機能の集中に起因する問題でございまして、この点につきましては、都市構造あるいは都市計画というような観点から検討すべき問題ではないか、このように考えてございます。  そういったようなことから、本年六月に均衡のとれた都市づくり検討プロジェクトチームを発足させまして、東京都における土地利用計画制度のあり方など、幅広い角度から全庁的に検討するというようなことで現在検討を進めているところでございます。 ◯青木委員 このプロジェクトチームの取り組み方でございますけれども、東京都内だけではない、広域的、首都圏的な解決、または首都圏から全国へ向けての解決という方向も出すような内容になっていらっしゃるかどうか、お答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 均衡のとれた都市づくり検討プロジェクトチームの中では、都心部に集積しました業務機能の分散の問題、こういった点を中心としながら、広域的な観点から、東京圏全体を視野に入れた政策のあり方というようなことも検討課題として検討しているところでございます。 ◯青木委員 この住宅マスタープランを見せていただいても、今後の東京の人口の増加ということについて、やはりそれなりに見込んでいらっしゃる中で、いわゆる要住宅総数、必要住宅総数と都営住宅、公共関与住宅の必要戸数というのはどのように見込んでいらっしゃるのか。また、各区市町村で今それぞれの地域としての特性を生かした住宅政策をつくろうということで、それぞれ努力をしていらっしゃるわけですが、このボトムアップされてくる数との整合性はどのように図られるのか、その手法と具体的なシステム、それとこの整合性ということについてどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 まず東京都の人口についてでございますけれども、第三次長期計画におきましては、東京都の人□は今後とも、人口の転出超過は続きますけれども、平均寿命の伸びなどを背景に、主として自然増による増加が見込まれてございまして、平成十二年度に千二百二十六万人になるものと見込んでございます。この第三次長期計画の人口のフレームを踏まえまして、平成十二年度における普通世帯数を五百二万世帯というふうに想定してございまして、これに流通可能量として必要な空き家が約五十二万戸程度必要でございますので、これを加えますと、平成十二年度において必要な東京都内にあるべき住宅総数、これは五百五十四万戸程度と見込んでございます。したがいまして、平成二年度の住宅総数の五百万戸に比べまして、五十四万戸の純増ということになってまいりますが、この新規需要の五十四万戸に、建てかえ需要分百二十一万戸を加えまして、東京都住宅マスタープランにおきましては、今後十年間の住宅需要としまして百七十五万戸を見込んでいるところでございます。また、東京都や公団、公庫の関与または支援による公的住宅供給戸数は、そのうち約四〇%に相当する七十万戸といたしてございます。  また、これらの住宅供給計画につきましては、東京都が周辺県との関係も含め、国とも調整しながら定めたものでございますけれども、今後区市町村住宅マスタープランの策定によりまして、地域ごとの住宅需要の積み上げ作業を行うこととしてございますので、今後区市町村とも互いにフィードバックさせながら整合性を図ってまいりたい、そのように考えております。 ◯青木委員 各自治体では総合計画で、例えば満度人口、万増人口というものを図っているわけですが、これと人口の総数というのは、当然重ね合わせてみれば同じ数ということになるだろうと思うんですけれども、その辺についてはどういうふうになっておりますか。 ◯岡本住宅政策担当部長 将来人口の推計作業につきましては、企画審議室の方でもっぱら担当して作業してございまして、詳細につきましては、すべて掌握しているわけではございませんけれども、考え方としまして、将来人口の推計方法としまして、趨勢型の人口の予測、これを地域別等に実施をしまして、それに各地域でのプロジェクト人口による人口増加、こういったようなことを加えまして、地域ごとの人口推計まで含めまして全体の東京都の将来人口を推計した、このように聞いてございます。  したがいまして、地域ごとというのは、若干のブロック単位ぐらいではおおむねの方向性として合ってまいるかと存じますけれども、ただ、各区ごとの将来の目標人口とどうなるかということにつきましては、今後の住宅対策いかんによる部分もございますし、そういった点が実は東京都の住宅マスタープランと、今後策定されます区市町村住宅マスタープランとの相互のフィードバックをする上での大変大きなテーマではないか、このように考えております。 ◯青木委員 今のお話とも十分重なる話ですが、高齢者、身障者向け福祉的施策の住宅の必要数というものも、やはり地域で福祉施策を実態的にやっていらっしゃる自治体から上がってくる数というのが必要戸数というふうに私は考えるわけですが、この辺についての、今の概算、それから今後このようにボトムアップされてきた数の受けとめ方、もう一つは、特に高齢者の独居女性、大変数がふえていくというふうにいわれており、民間賃貸ではなかなか受け入れられないという実態もある中で、そういう個別のきめの細かい住宅政策、この辺についての支援などはどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 まず、高齢者向け住宅の将来の需要の予測でございますけれども、高齢者向け住宅につきましては、福祉局と協議の上、長期計画人口フレームの平成十二年度の六十五歳以上人口から、ひとり暮らし高齢者世帯数、それから高齢者夫婦の世帯数、さらに民間アパート居住者で住宅困窮者数などを推計しまして、平成十二年度までの需要戸数を一万五千戸と見込みまして、この推計作業をもとにしながら長期計画の高齢者向け住宅の計画戸数を組んだものでございます。  また、各区市町村におきましては、現在地域高齢者住宅計画の策定をお願いしてございまして、相当数の区市の方で既に策定を終えてございますけれども、やはり今後このような高齢者対策のように、地域と密着しました住宅対策の分野と申しますのは、地域からの需要を積み上げる、これを非常に重視しなければならない、そういうような認識をしてございまして、そういう観点から、今後の地域高齢者住宅計画の全体がまとまりましたならば、そういった点も十分勘案しながら施策を推進してまいりたい、このように考えてございます。  それから、高齢者のひとり暮らしの女性の居住の安定の問題でございます。昭和五十八年から昭和六十三年までの間、これは住宅統計調査では、民間のアパートに住んでいらっしゃいます高齢単身者の中でおおむね三六%の方々が住みかえているというように、民間アパートでの高齢単身世帯の居住の不安定さということがデータとして出てございます。そういった点で、高齢単身女性の住宅事情、これも大変深刻である、このように受けとめておりまして、そういったような観点から、とりわけ委員ご指摘の点につきましては、今回の住宅対策審議会の意見具申の中でも、高齢者世帯の民間アパートへの入居の円滑化等を図るため、区市町村による居住保障、いわゆる連帯保障的なことですね、そういったようなことを促すよう支援策等を検討すべきである、このように提言されてございますので、この提言も踏まえまして、今後鋭意検討してまいりたい、このように考えております。 ◯青木委員 今地元の久米川公団で、建てかえ問題のときに居住者から問題提起がありまして、住宅局の、そういう意味では熱心な取り組みの中で、公団内に都営住宅ができるということがはっきりしたわけです。この中で一つは、今の住対審の答申の中でも公共住宅の管理の一元化という趣旨の意見具申がございましたが、私としては、公共住宅が相互に乗り入れて、なおかつ住みかえをしないでも住み続けられる体制はとれないのかということを、いつも居住者または近隣の方から伺うわけですが、その辺についての東京都としての態度はどうなのか。  もう一点は、いわゆるそういう公団建てかえ時、都営建てかえ時の相互乗り入れの際の協定というものは、公団側と都側とであるのか、ないのか。また、この問題について、例えば久米川公団では六十歳以上の方は都営住宅にあっせんします、こういうお話が出ているようですが、傾斜家賃が平準化していく十年後に六十歳以上になってしまう五十代の方たちが大変不安に思っていらっしゃるわけですが、その辺についての経過と具体的な方針について、以上、久米川公団の建てかえ問題に絡んで伺わせていただきます。 ◯大賀管理部長 公共住宅の管理の一元化についてのお尋ねでございますが、公団住宅、公社住宅、公営住宅はそれぞれ個別の法律に基づきまして、建設、管理、供給されているところでございまして、また歴史的な沿革もございまして、このような事業主体が異なる住宅の管理の一元化を図ることは現状ではなかなか困難ではないかと考えております。  しかしながら、ただいまご指摘ございましたように、公営、公社、公団住宅の公共住宅間の相互関係の連携を密にすることは重要なことでございまして、公団住宅の建てかえに際しまして、建てかえ後の家賃が収入に比べて著しく高い場合で、かつ都営住宅の入居資格がある場合につきましては、都営住宅への住みかえ等を実施しているところでございます。また、逆に都営住宅にお住まいの方で高額所得者等、明け渡していただく方につきましては、公社、公団住宅へのあっせんを行っているところでございます。  なお、今後とも一層の連携を図るべく、東京都と公社、公団の三者間での公共住宅の管理に関する連絡協議会を設けるべく現在準備中でございます。 ◯西村建設部長 二点目の相互乗り入れの際の協定があるのかというご質問にお答え申し上げます。  現在、公社、公団、都営、三者での相互乗り入れの一般協定はございません。公団久米川団地についてのみの協定でございます。今後も個別に協定を結んでいくことになろうかと考えております。  三つ目のご質問でございますが、現在公団と都で結んでおります基本協定では、主たる生計維持者が六十歳以上の単身者も含む世帯等、こういうことになっているわけでございまして、五十代の方々をも対象にならないかということでございますが、公団からの申し入れによりまして、現在このような協定になっておるところでございまして、公団から申し入れがございますれば、その際改めて検討することになります。ただ、単身の五十歳代につきましては、女性のみが対象になります。これは公営住宅法の規定によってそういうことになります。 ◯青木委員 この問題についてはまた改めてやらなければいけないというふうに思いますが、もう一つ、区市町村と東京都の住宅施策の役割分担ということについて、いろいろ今提言もありますし、意見具申もあるという中で、東京都は今後各自治体の住宅施策を支援をし、調整をする、こういう姿勢の中で進めていかれるというふうに認識してよろしいわけですか。 ◯岡本住宅政策担当部長 先ほどご報告申し上げました意見具申にもございましたように、東京都の役割としましては、広域的な観点から都民の住生活の安定向上を図るため、広域的需要に対応する公共住宅の供給促進、さらに、まちづくりと連動した住宅供給と良好な住環境の形成を区市町村が実施するに際してのさまざまな支援等の条件整備、さらに良質な民間住宅の誘導など、住宅に関する総合的な施策を実施するわけでございまして、そういったような意味で、今後区市町村の住宅対策が円滑かつ効果的に推進されますよう、必要な指導、助言、さらに積極的な支援等を図ってまいりたい、このように考えております。 ◯青木委員 そうしますと、今後東京都の住宅条例というものをつくるということで取り組んでおられると思いますが、それは今の市町村との関連も含めて、具体的に今ある住宅問題の何を解決し、何を実現するためにつくられるのか、その基本的な姿勢だけ伺いたいと思います。具体的な内容はほかの委員の方が伺うと思いますので、基本的なところだけお答えいただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 住宅基本条例は、住宅政策の今後のあり方を規定する基本となるものでございますので、広く都民や区市町村の協力を求めながら、住宅政策を総合的かつ計画的に推進する、こういうような立場から立案しなければならない、このように考えております。  したがいまして、住宅基本条例が制定されるとしますと、住宅対策につきまして、まちづくりとの関係など幅広い観点からのコンセンサスの形成が期待できる、こういうように考えてございますし、また、新しい工夫による公共住宅の推進や、さらにまちづくりと連動した住宅対策の展開など、住宅政策懇談会の提言による諸施策についての法体系が整備されることになりますので、今後の新しい住宅対策や住宅供給計画の安定的かつ円滑な推進に資するもの、このように考えております。 ◯青木委員 条例に関しては、また後ほど各委員のご論議を伺いたいと思いますが、最後に、まちづくりと公営住宅建設の連動という中で、都営住宅はどのように寄与しているのか、今後どのように寄与していくのか、この点について伺いたいと思います。  現状、国のいわゆる再生計画等の中で、都営住宅の再生ということがいわれ、それぞれ手をつけながら、実態としてどのようになっているのか。まちづくりという観点で、各自治体の総合計画や都市計画と連動していくという点について、どのように今後すり合わせをさせていくのか。指導的な役割と受け皿としての役割、両方あると思いますが、その辺についてご答弁いただきたいと思います。 ◯西村建設部長 都営住宅の建設に当たりましては、これまで地元区市の開発構想との整合を図るとともに、都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づき、道路、公園、保育園、老人施設といったような公共公益施設を整備することにより、地域のまちづくりに努めてきたところでございます。  また、今後も東京都住宅マスタープランに基づき、地域のコミュニティの活性化、良好な都市景観の形成など、まちづくりの視点を導入しながら、公共住宅団地の建設、建てかえを推進してまいります。  この場合において、地域に開かれた団地とするため、地域住民も利用できる地域施設等の設置に努めることとし、高齢者の割合が高い団地については、必要に応じて高齢者在宅サービスセンターなどの併設を進めるとともに、区市町村のまちづくりに関する基本計画や区市町村住宅マスタープランとの整合を図りながら、周辺地域との一体的整備を推進していく考えでございます。 ◯中山委員 今住宅基本条例の話が出ておりましたので、若干お伺いしたいと思っております。  この基本条例につきましては、我が党も従来、東京都の住宅政策のさまざまな展開の中で、例えば優良民間賃貸住宅あるいは住宅バンク制度等、いろんな提案をしてきたわけでありますけれども、そういった提案に対して法的な根拠を与え、さらに具体的に効果的にそれが運用されるような、そういう今後の基本条例ではなかろうかと思っております。  まずお聞きしたいことは、この基本条例につきまして──プロジェクトチームがつくられたということで大変に評価をするわけでございますけれども、今後どういうことを検討されて、どういうスケジュールで結論を出されるのか、その辺のところをまずお伺いします。 ◯岡本住宅政策担当部長 この住宅基本条例の制定の問題につきましては、昨年の第四回定例会に際しまして、自由民主党から代表質問をちょうだいし、その中で、住宅政策の今後の指針となるべきものとして住宅基本条例の早期制定を考えるべきである、このようなご指摘をちょうだいしました。それに対しまして知事から、早期制定に向けて積極的に取り組んでまいりたい、このようなご答弁を申し上げたわけでございまして、その後住宅局では約一年間、条例に盛り込むべき内容等につきまして検討を進めてまいりました。その際に、国会において提出されてございます各党の住宅基本法案、あるいは各区の住宅基本条例等につきましても、種々分析をしてまいってございます。そういったようなこれまでの検討作業の成果を生かしながら、先般十月三十日の住宅対策推進本部会議におきまして、全庁的なプロジェクトチームが設立されましたので、今後は全庁的なPTの場で、条例の内容等につきまして鋭意検討してまいりたい、このように考えております。  また、今後のスケジュールとしましては、このPTにおきまして、条例案の大綱的なものを年内にできれば作成したい。また、それを踏まえまして、その後できる限り早期に提案できますように、政策担当者としましては最大限努力してまいりたい、このように今後のスケジュールを考えております。 ◯中山委員 我が党としましても、過日知事に対しまして、基本条例の大綱提示をいたしまして、条例の早期制定を提案をしたわけでございます。手前みそになりますけれども、我が党といたしましては、大綱をつくってあと執行機関に骨組み等つけていただく、そういう形で大綱案を示したわけでございますけれども、その大綱につきましてどのような評価をされているか。また、中身は当然ごらんになったかと思うんですけれども、それをどういうようにこれからの審議の過程の中で反映をされていくつもりなのか、総体的なご意見をお聞きしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 去る九月三十日、公明党東京都本部の先生方から、十五項目から成る住宅基本条例案大綱につきまして提案をちょうだいしてございます。この大綱の内容を拝見しますに、東京都の住宅政策懇談会の提言内容と軌を一にする内容が多い、このように考えてございまして、かつ、党の考え方をこのように具体的な大綱という形でお示しになられましたことに対しまして、政策担当者としましては敬意を表したい、このように考えてございます。今後、全庁的なPTでの検討作業の中で、この大綱も参考にさせていただきながら条例案の検討を鋭意進めてまいりたい、このように考えております。 ◯中山委員 参考にさせていただくということなんですが、具体的に、例えば我が党の大綱の中で特徴的ということになりましょうか、第四項に、都民の責務として、事業者は雇用する勤労者の住生活の安定向上に資するため必要な措置を講ずるよう努める、こういった事業者の責務を問うことを規定しているとか、あるいは我が党としては今後の住宅政策の展開のあり方として、東京都の住宅の現状を調べる意味もありますし、そういう意味で住宅白書をつくってはどうかという考えも持っているわけでありまして、そのことも第五条の中に規定をしているわけでございます。  それからもう一つは、こういったことについての評価と、これをどういうふうに今後の検討の中で盛り込んでいくかどうかということでございますが、例えば、住宅総合センターの設立ということを訴えているわけでございます。今住宅の問題に関しまして相談する窓口、東京都の住宅局しかないわけでございまして、これから優良民賃になるとか、住宅バンクとか、いろんな問題が出てくるわけでありますが、そういう意味で、住宅、住環境の整備に関する調査研究、あるいは住宅再開発の誘導、並びに都民に対する情報の提供、住宅相談の実施、こういった機関を設けてはどうか、こういったことも提案をしているわけでございます。  以上、三つのことについて申し上げましたが、その点についての評価と、これをどうとらえていくかということをお伺いしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 公明党東京都本部から提案されました大綱の第四第二項では、事業者はその雇用する勤労者の住生活の安定向上に資するため必要な措置を講ずるよう努めるものとすること、このようにご提言がされてございます。この点につきましては、数多くの企業が集積し、広範な経済活動を営んでいるこの東京におきましては、やはり企業もまた、勤務する勤労者のために住宅対策面から何らかの措置をすべきであるという点については、まさに同感でございまして、そういったような観点から、そのような趣旨のことにつきましても、検討課題として鋭意検討を重ねているところでございます。  さらに第五で、住宅に関する基礎的調査の実施としまして、住宅白書を策定すべきことというようなことが表現されてございますけれども、これにつきましても、東京都の住宅政策懇談会の方から住宅白書の策定につきまして提言をちょうだいしてございまして、来年度から今後毎年策定するというような方向で、第一回の白書の策定作業に現在取りかかっているところでございます。その点におきましても、考え方としてはまさに同感である、このように考えております。  また、第十一の中で、住宅総合センター(仮称)の設立という点の提案をちょうだいしてございますけれども、この点につきましても、住宅政策懇談会の提言の中で、住環境整備推進機構(仮称)の設立を検討すべきである、このような提言をちょうだいしてございまして、住環境整備推進機構の役割をさらに拡大するような形の提案というふうに存じますけれども、この問題につきましては、現在関係局と鋭意、その創設につきまして協議中でございますので、その協議の状況等も踏まえながら、今後の課題として条例案の中で検討してまいりたい、このように考えております。 ◯中山委員 プロジェクトチームの設置についての住宅局の発表の中で、既に世田谷区等六区において住宅条例が制定をされているわけでありますけれども、そういった各区の住宅条例と今回の住宅基本条例、その辺のところ──もちろん住宅基本条例をつくるときにはそれぞれの区のさまざまなご意見も吸い上げると思うんですけれども、そういった既にでき上がっている住宅条例との整合性をどのように調整をしていかれるのか、その点をお伺いしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京都が条例を制定するに際しましては、東京都と区市町村との役割分担を明らかにしまして、区市町村に対する助言、援助等の根拠を明確にすることですとか、あるいは区市町村の住宅対策を誘導するということが必要な観点から、既に制定されてございます特別区の条例の内容等も十分分析しているところでございます。今後、東京都の施策との相互関係ということも考慮しながら、それらの特別区の条例の内容の中で、東京都の条例の中でも取り入れることが望ましい事項につきましては、できる限り反映するように努めてまいりたい、そういったような姿勢で検討してまいりたいと思っております。 ◯中山委員 この住宅基本条例は、ここにもありますように、現行の東京都住宅建設条例ですか、これにかわるものとして検討するわけでございますけれども、この住宅建設条例の計画目標に一世帯一住宅の実現、こういうことが掲げられているわけですね。一世帯一住宅の実現ということは非常に響きがいいわけでございまして、先ほど理念的な話がございましたけれども、これからの基本条例の中には、例えばこういったような非常に都民にわかりやすく、そしてまた希望が持てるような、そういう理念的な面がどう反映されていくのか、その点はどのようにお考えになっているのか。 ◯岡本住宅政策担当部長 今後の住宅政策の目標についてでございますけれども、手順が前後のような感じもしますけれども、実は東京都住宅マスタープランの中で、住宅政策の目標としまして、すべての都民がその世帯構成やライフステージに対応して良好な住環境のもとで、生活の豊かさを実感できるゆとりある住生活を実現することができるようにする、このように目標が掲げてございまして、条例を制定する際にはそのような趣旨を反映する形で、条例上の住宅政策の目標についての表現を法制上の文言として検討する、このような作業になってまいろうかと考えております。 ◯中山委員 今部長がいわれたようなことも結構ですけれども、やはりこれだけのものを全国に先駆けてつくるわけでありますから、ぜひとも都民にとって、もちろん具体的な実行もなければいけないわけでありますけれども、希望が持てるような基本条例をぜひつくっていただきたい、そのことを大いに期待をしているわけでございますので、その点よろしくお願いしたいと思います。  それから、ちょっと基本条例と離れますが、市街地複合住宅総合設計制度の創設について、二、三お伺いしたいと思います。  各都心区等が独自の住宅附置義務等をつけたりいたしまして、住宅の回復策をやっているわけでありますけれども、非常に実効性に乏しい部分がございます。そういう意味では、この複住総の創設ということは、かなり期待をしているわけでございますが、住宅局としましては、この複住総の創設にどのような期待を持っておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 今後東京都の住宅対策としまして、区部中心部等における定住人口の回復を図るということにつきましては、地元の区と十分連携しながら積極的に展開しなければならないテーマである、このように考えてございます。  ところで、従来の総合設計制度、すなわち住宅を上部に乗せれば、さらに敷地内に公開空地を設ければ容積率を住宅部分に関して認めるという市街地住宅総合設計制度という制度、これが十年ほど前からございますけれども、この制度によりまして、区部中心部で賃貸住宅の供給を上部空間でしようということで試算をしますと、例えば、土地代を全くゼロというふうに計算をしましても、七十五平方メートルタイプで家賃が三十万円を超えるというようなことでございまして、従来の市住総では住宅は供給されるけれども、供給される家賃が中堅所得層向けのものにならないという問題点があったわけでございます。  そこで、今回の市街地複合住宅総合設計制度につきましては、住宅局側からもそういった問題点を指摘しまして、特に強く関係局の要請をし、その容積ボーナスの部分につきまして、住宅と商業業務施設とセットで割増しをする、そういったことを通じまして、商業、業務部分の容積ボーナスから生じる収益を住宅部分の方に回すということで、できる限り良質でかつ中堅者層向けの住宅になるような、そういったような仕組みとして大いに期待しているわけでございます。  とりわけ、今回の制度化に際しましては、上部空間で供給される住宅を借り上げ型の公共住宅というようなことにしてございまして、おおむね試算では通常の市住総タイプですと、七十五平米タイプで三十三万円くらいの家賃になってまいりますけれども、複住総でやりますと、十七万円ないし二十万円ぐらいのところまで下げることが可能ではないか。そういったようなレベルで公社または区の方へ借り上げまして、それに地域特別賃貸住宅B型による家賃対策助成を入れて入居者の初年度の負担額は十万円前後にする、こういったような政策がようやく可能になってまいりますので、この制度の創設を機としまして、区部中心部での借り上げ方式の公共住宅の供給促進、これに鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◯中山委員 この問題の所管は都市計画局なので、岡本部長の担当じゃないかと思いますけれども、今のお話を聞いて、複住総に対する期待のほどがわかるわけです。これもちょっと所管の部署じゃないので、答弁わかりませんけれども、例えば、都心三区では非住宅床部分、要するに割り増しした、そこの部分は事務所以外の用途にする、こういうふうになっているわけですね。事務所以外の用途にした場合、果たしてそれで複住総の役割が、特に都心三区ですから、やはり事務所にしないと持たないんじゃないか、そういうような懸念も持つわけです。これは別に一極集中の加速の問題とかいろいろ複雑な問題が絡みますので、一概にいえない問題なんですけれども、その点はどういうご見解を持っているのか、ちょっとお聞かせいただいて私の質問を終わります。 ◯岡本住宅政策担当部長 今回のこの市街地複合住宅総合設計制度の制度化に当たりましては、都心三区では容積ボーナスにかかわる非住宅床部分を事務所以外の用途とする、この趣旨は基本的には業務機能の集中ということにつながることを極力避けるということから、商業系の用途、あるいは、例えばスポーツ施設、さらには文化施設、そういったような部分につきまして割り増しをしようというようなことにとどめたものでございます。ただ、この点につきましては、随分都市計画局とも論議がございまして、住宅局の立場からいいますと、やはり住宅の家賃を下げるためには、都心三区といえども、例えば事務所との複合化ということも考えてもいいではないか、こういったような論議もしましたけれども、大局的に考えまして、やはり現時点では業務機能集中の抑制ということの課題の方が大きいだろうという総合判断から、このような考え方をとったものでございます。  したがいまして、今後どうするかという点につきましては、建設省の都市計画中央審議会が提案してございますような、容積率の一時凍結というようなダウンゾーニングの手法と組み合わせるとか、さまざまな新しい都市計画制度が出てまいりましたならば、また別の運用の仕方ということも将来は考えられるのではないか、そういったようなことを考えております。 ◯長谷川委員 三つほど伺っておきたいと思います。  具体的なことから先にお尋ねしたいんですが、都営住宅の改善事業に関連しまして、野毛の都営住宅の改善事業について、ことしの何月でしたか、新聞に、居住者に対して改善事業の説明をした後、建築基準法に違反する計画であることが判明したので、改善事業については当面中止をしたいというような説明が居住者に対して行われたという報道がありました。この件について、都営住宅の浴室をつけるとか、そういった改善は居住者が当然非常に望んでいることであるわけで、東京都として、住宅局として、これに対してその後どのような対応をなさって、また今後どうしていくつもりなのか、そのところをお聞かせいただきたいと思います。 ◯西村建設部長 ご指摘の野毛団地は、都市計画の一団地の住宅施設に基づきまして、昭和三十六年、三十七年に建築した団地でございます。お話のように、五十七年に一棟住宅を改善いたしまして、その後本年四月に入りまして、また改善のお話し合いに住民の方々と入ったわけでございます。ところが、ここは一団地の住宅施設の中で容積率が六〇%に設定されておりまして、五十七年の改善で既に容積を使い切ってしまっている、こういうことが判明したわけでございます。まことに初歩的なミスでございまして、居住者の方々に大変な失望を与えたことをまことに申しわけなく思っているわけでございます。  今後の対応でございますが、いずれにいたしましても、容積のアップという都市計画変更をしなけれぱなりませんので、都市計画変更に基づきまして、改善を行うか、あるいは建設年度が三十六、三十七ということでございますので、建てかえに向かうか、この辺の検討をしながら居住者の方々とまたお話し合いを続けたい、このように考えております。 ◯長谷川委員 昭和五十七年、一九八二年に一棟改善をした、そのときに容積率を使い切ってしまった。都市計画決定に基づいて建てられた団地の一部分は、そうしますと、それ自身としては合法的にといいますか、建築基準法上は問題なく建てたんだけれども、その他の居住者が住んでいる棟で必要とされるような建ぺい率もそこで全部使い切ってしまったということなんでしょうか。 ◯西村建設部長 ご指摘のとおりでございます。 ◯長谷川委員 私、この記事を見ていろいろ、課長に伺ったり、調べて感じたんですが、団地には六棟あるわけですね。そのうちの一番南の一棟を改善するということで、これは当然改善の必要があるからやったんでしょうが、そのことはとりもなおさず、ほかの棟も改善の必要があるわけですね。建設年次はいろいろあるでしょうけれども、いずれそういう必要が生じてくる。計画としては非常に単純なミスというふうにおっしゃいましたけれども、既に一九八二年の段階で、改善事業をやるときにそういうことは判明していてしかるべき事柄だったのではないかというふうにつくづく感じているんですけれども、その点はどうでしょうか。 ◯西村建設部長 五十七年時点で当然わかっていたものと私どもも考えます。 ◯長谷川委員 余り客観的におっしゃられると、違和感を感じるんですよね、何の責任もないかのようなお話だと。つまりそれは建築部として責任がある、部長だって責任がある事柄ではないのかということをちゃんといってほしいわけです。 ◯西村建設部長 まことに申しわけございませんでした。最初にも申し上げましたとおり、まことに単純なミスでございまして、居住者の方々にご迷惑をかけたわけでございまして、これはすべて私ども住宅局の責任でございます。 ◯長谷川委員 その点ははっきりさせておきたいと思うんですが、いずれにしても、この改善事業、地元の人たちは何とか早くやってくれという声が強いわけですね、もう十分ご承知のことと思いますが。それで、都の政策としても都営住宅の改善事業を進めなきゃいけないというふうにいっているわけですから、建てかえの問題とリンクさせないで進めるべきじゃないかという意見を私は持っているんですが、その点はいかがですか。 ◯西村建設部長 この話が改善ということから進んでおることでございますし、居住者の要望もあるわけでございますので、検討の第一には当然改善ということを話し合いの前提とする、こういうことになろうかと思います。ただ、その中で時期等を見ながら、場合によりますとかなり大変な事業になろうかと思いますので、建てかえの方へということもお話し合いはさせてもらいたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 ◯長谷川委員 いずれにしても、居住者の意向をこの場合徹底的に重視して、そういう東京都としてのミスもあるわけですから、対処してほしいということを要望として、意見として申し上げておきます。  次に、去年の事務事業概要の説明のときにも質問をいたしたんですが、つくっていただきました資料の一番最後のページで、首都圏の、これは民間の住宅ですが、貸し家についていろいろと入居上の条件がつけられているケースがたくさんあるわけですね。この表で見ますと、条件を付してないのは五五・六%で、あとは何らかの条件を付している。独身のみしか認めないとか、女性のみ可とか、学生のみとか──これは余り問題がないといってはあれですが、例えば、子供のいる世帯はだめとか、これなんかも一般の都民にとっては、夫婦で住んで子供ができれば転居しなきゃいけないというようなケースがたくさんあるわけです。それから年齢制限がある。これは一番深刻なのはお年寄りに対する入居制限といいますか、貸してくれる家主さんがいない。それから、このその他というところの中に入るんだと思うんですが、在日外国人に対する入居拒否、入居差別、これもたくさん話を聞くところなわけですね。昨年四月に外国人入居差別を考える会というところから、要請書が知事あてに出ました。これに基づいて去年も伺って、都としては、住宅局としてはそういう入居差別をしない、例えば、外国人の入居お断りというような不動産業者の張り紙なんかに対しては注意をする、そういう指導をするんだというお話でした。この一年間どういうことを東京都としてはやってきたか。その実例、効果、そういうものについて、わかる限りお答えをいただきたいと思います。
    ◯松田不動産業指導部長 たしか昨年の十一月八日の当委員会で長谷川先生からご質問をいただいたわけでございます。その後の取り組みいかんということであろうかと思います。  私ども、この問題につきましては、不動産業者にかかわる側面と、それから民間の貸し家の問題でございますので、大家さんの関係の側面と二つあろうかと思います。それで、当面不動産業者にかかわる側面につきましては、早速関係団体の代表とご相談をいたしたわけでございます。それで、やはり外国人の居住機会の均等の拡充、そういった趣旨を徹底するといいましょうか、普及、啓蒙がやはり最優先事であろう、こういう認識を共通にいたしたわけでございます。具体的には、関係団体が会員に対しまして、研修会あるいは講習会、こういったような会合を持っております。それから私どもも直接に業者に対しまして、これは特にアウトサイダーでございますが、講習会を持っております。大体年間通じまして全体で約二十五回程度の回数を持っているわけでございます。その中で、外国人の入居にまつわる居住機会の均等の拡充につきまして趣旨を徹底する、こういう形で催してございます。それが当面行っております事柄でございます。  なお、それ以外、今後ますますこの種の趣旨を拡充する必要があろうかと思います。これにつきましては、引き続き団体ともご相談を重ねて具体策を検討していく、こういうように考えている次第でございます。 ◯長谷川委員 今不動産業者の指導ということについてお話があったわけですが、家を実際に持って貸している家主さんに対する指導というのは、都としては何らかの手段があるんでしょうか。 ◯松田不動産業指導部長 民間の大家さんにつきましては、基本的には民法なりあるいは借地借家法なりが直接働く、いわゆる私法の領域の問題でございます。直接私ども行政的に関与する、こういうあり方にはなっておりません。しかしながら、こういった趣旨の徹底の実現が図れることは、当然行政としても望ましい事柄でありますので、そういう視点に立ちまして、今後引き続き必要な検討を考えてまいりたい、かように考えております。 ◯長谷川委員 抽象的なんですが、この要請書の中に、外国籍住民に対する入居差別について都の見解を表明してほしいという要請の一項目があるのです。私は、今東京都が準備しております住宅基本条例、これはいろんな住宅政策の目標から始まって、さまざまな盛り込む内容がたくさんあるわけですが、その中にこういった都民、とりわけ在日外国人であるとか、あるいは日本人であってもお年寄りといった、いわば居住における弱者とでも申しましょうか、そういう人たちの権利を、この基本条例の中にきちんと明らかにすべきではないかと思っております。これは都の見解を表明することにもつながりますし、東京都として、多くの東京都に居住している在日外国人の人権を守るという立場からも必要ではないかと思うのですが、その点についての見解を明らかにしていただきたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 民間住宅の賃貸借関係につきましては、基本的には民事法体系の中で実施される問題ではないかと考えてございまして、とりわけ東京都の住宅基本条例の中で検討する場合、民法上の契約自由の原則との関係をどう構成するかという問題、それから条例で書きましたときに、どう実効性を担保するのかという問題など、法律論的に検討すべき問題点がかなり多いと考えてございます。  そこで今後の課題としまして、行政法、さらには民法等の専門の先生方のご意見等もちょうだいしながら、そういう中で、今後十分研究してまいりたいと考えております。 ◯長谷川委員 こういった権利をきちんと自治体の条例の中に盛り込むべきだという運動ないし声は、既に前からありまして、ご存じのことと思いますが、新宿区の住宅条例をつくるときに、そういう要望があって、直接請求まで行われたということです。時代の流れということでいえば、しかも東京都はみずから国際都市を標榜しているわけですから、この点は単なる研究課題とするのではなくて、ぜひ力を入れて、その方向でやるべきだということを、これは意見として申し上げておきます。  それから三点目なんですが、これは住宅供給公社の問題です。住宅供給公社の建てかえ問題は、陳情請願の審議が行われましたさきの委員会においても、あるいは建てかえ問題、家賃問題はずっと大論議の的になってきているわけですね。きょうはちょっと角度を変えて住宅局の見解を伺っておきたいと思うのですが、非常に大まかにいって、主として所得という点から考えた場合、都営住宅が対象とする人たち、さらには都の住宅供給公社が対象とする人たち、住宅・都市整備公団が対象とする人たち、それぞれ対象が異なる。微妙に目標とする所得階層が違うわけですね。具体的にはどういう想定をなさっているのか、所得分位あるいは金額で表示していただけますか。 ◯竹内参事 制度上では、特に都営住宅あるいは公社住宅、公団住宅の違いはございませんが、都営住宅の場合には、収入階層のゼロから三三%という第一種住宅の最高限でございます。また公社、公団につきましては、中堅所得層を対象にしてございますが、具体的には数字としてございません。ただ、都営住宅の最高の三三%から大体第三分位の上位の六〇%程度を、実態的には対象としているということになっております。 ◯長谷川委員 申しわけありませんが、具体的な所得金額でおっしゃっていただけませんか。 ◯竹内参事 一応三三%というところが四百九十万所得があります。それから六〇%のところは六百八十万ということになります。 ◯長谷川委員 今、供給公社が建てかえようとしている家賃、いわばモデルで十五万五千円ですか、実際に今年度事業化しようとしているところは、一番高くて十七万二千円ですか、こういう家賃を、いわば供給公社の住宅に住んでいる人たちが払えるわけないじゃないかということは、さんざん主張され、私も申し上げているところなんです。したがってその中で、さまざまな家賃の軽減策、あるいは激変緩和措置というものが考えられているのですが、これは、例えば高齢低所得者の方については十五年しか緩和措置がとられない。あるいは激変緩和措置といったって、七年後、十年後にはもとの家賃、十五万五千円なり十七万二千円なりというような家賃になってしまうわけですから、もとの設定された家賃が高過ぎるところに一番問題があるわけです。  そもそも住宅供給公社が、今答弁がありました収入階層でいって、三三%から六〇%、第三分位の上位まで、年収で六百八十万円ぐらいの人たちを対象にした事業だということからいきますと、十五万五千円あるいは十七万二千円の家賃に匹敵する平均年収というのは、どのくらいなければならないのか。これは今までもやられておりますけれども、念のために伺ってみたいと思うのです。 ◯竹内参事 ただいまの十七万二千円の場合でございますが、仮に負担率を二〇%といたしました場合に、一千万ということになります。 ◯長谷川委員 私は中堅所得者層、これは非常に幅のある概念ですが、東京都が都営住宅の責任を持ち、そしていろんな表現で低中所得者と一括していっている場合のイメージは、やはり年間一千万所得者のことを指しているのではないんじゃないかと思うんです。もちろん地価の高騰等々の客観的な現象があるんですけれども、だからといって、年収一千万円の人たちが入れる住宅を住宅供給公社は供給するんだというふうにはならないと思うんです、根本的な考え方の問題として。そこら辺は局長、住宅供給公社ですから、住宅局そのものではないんですが、それを指導する立場にある者として、こういう事態は何としても避けなきゃいけない事態なのではないかと私は思うのですが、ちょっとお考えを聞かせていただきたいと思うのです。 ◯林住宅局長 ただいまお話がありました住宅供給公社の家賃の問題でありますが、私どもといたしましては、できれば月収の二〇%から二五%ぐらいまでに家賃を抑えたい、こういうことでこれからの住宅政策を進めていきたいと考えておるわけでございます。先ほど例に出されましたような、やはり建築費との関係がございまして、どうしても場所の条件のいいところの供給公社の家賃が高くなる。ある面ではやむを得ないところもあるわけでございますが、できるだけの手だてを講じながら、できるだけ今いったような水準の家賃の住宅が適用できるような形で努力してまいりたい、このように考えております。 ◯長谷川委員 先ほど青木委員の質問の中で、久米川団地への都営住宅の建設の問題がありました。私も新聞の記事で拝見しているんですが、これは公団としては、恐らく東京都といろいろ話し合いをしてということだと思いますが、この新聞のインタビューに答えた住宅・都市整備公団改善計画課の話では、今回の制度化で、公団として考えられるすべてのメニューがそろったのではないかといっているわけですね。  これがすべてかどうか、ほかに道がないのかどうかはともかくとして、地域リロケーション住宅にせよ、いわば公団の用地を東京都に提供して、安い──公団の用地ですから、そんなにべらぼうな値段ではないと思うのですが、それを利用して東京都が都営住宅を建てるというやり方が、今度新しく開発されたわけですね。工夫といいますか、さまざまな知恵を集めれば、こういう政策というのはまだまだ開拓の余地があるんじゃないかと思うんです。また、そういう努力を住宅局としてもやらなきゃいけない。その点はどうですか。  今まで、資料でいただいた住宅供給公社の、一五ページで、建てかえに伴う要望と対応策の中で四つの軽減措置をやっておりますし、あるいは住み続けることのできる多様性のある計画とするために、地域リロケーション住宅ないし都営住宅の導入、あるいは型別供給の多様化ということを挙げているわけですが、もっともっと工夫の余地があるんじゃないか。その点の可能性といいますか、努力の方向といいますか、それについて一言伺っておきたいのです。 ◯竹内参事 公団の久米川団地における都営住宅の併設という新しいものが出てきている、もっと工夫があるのではないかとのことでございますが、公社住宅の建てかえにつきましても、地域リロケーションですとか、あるいはただいまの都営の併設、これは団地の事情によって、これから検討していくものかと思います。それぞれの団地の実情によって、いろんな工夫が出されると考えますので、そういう点では実態の、要するに各団地に入った中で、ご希望、意向を調査する中で工夫ができてくるのではないかと考えております。  それから、先ほどの十七万円の家賃の関係でございますが、最終では十七万でございますが、入居初年度の家賃につきましては低く抑えてございまして、一般公募家賃、七年傾斜の場合でございますが、十二万三千円程度でございまして、この場合には、ちょうど三三%と六六%の中間の所得の二二%が大体十二万四千五百円でございますので、そういう意味では公社住宅の対象層の中に当てはまるように、家賃を低く抑えているということでございます。 ◯長谷川委員 公社の問題は後の方の問題にしますが、さまざまな手法を結局個別の団地ごとに考える、そういうふうに住宅局の方でいいますと、どんどん建てかえ対象団地の人たちと話し合いを、住民の意向を無視してもやらなくちゃいけないという方向で供給公社が進んじゃうんじゃないかというおそれを持ったのです。私はそうあってはならないし、新たな家賃軽減措置制度、それは別に具体的などこの団地ということをあれしなくても、国や都の制度等々真剣に考えれば、いろいろ編み出されてくることはあると思うんです。  実際、特定の団地でなくたって、都営住宅の組み込みということは、いろいろ意見として、既に都も認めるような意見として形成されてきているわけでしょう。前はそんなことはなかったわけですが、団地によっては都営住宅を組み込んでもいいんだ。あるいはこの委員会でも、ある委員から意見が出されましたけれども、同じ建物であっても、都営住宅と住宅供給公社の住宅があったっていいじゃないかとか、そういう論議が闘わされているわけですよね。それは可能なわけですよ、別に特定の団地としなくてもね。  ですから大いに、それはぜひ進めていくべきだと思いますし、また、そういうものがはっきりしないうちに建てかえ事業を進めるということはよくないんじゃないかと思って質問しているわけです。住宅局として供給公社を指導する場合に、ぜひそこら辺は踏まえて指導すべきではないかと思いますが、その点の答弁を伺って、私の質問を終わります。 ◯竹内参事 建てかえ事業につきましては、設備が古いものですとか、住戸規模が小さいもの、こういったものの居住水準の向上を図って、今後の高齢化社会の到来、あるいは周辺環境と調和した都市景観づくりを進めるということなど、良質な社会資本の形成を図っていこうという社会的要請があるわけでございます。そういう中では、この事業を進めていく必要性がございます。  居住者が住み続けられるようなこと、いろいろな制度、工夫といったものを取り入れる中で住み続けていかれるような計画をつくっていくということは、努力をしなければならないと考えておりますが、居住者との話し合いが終わるまで、この事業をやめるべきではないかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、社会的要請もあり、公共住宅としての使命という点から、この事業を進めてまいることは、やむを得ないのでないかと考えております。ただ、居住者及び居住者団体との話し合いにつきましては、この建てかえ事業への理解と協力を得るためにも、今後も引き続き行うということを、公社の方に十分指導してまいりたいと考えております。 ◯橋立委員 最初の事務事業ということですので、いろいろと質問させていただきたいと思います。  最初に、住宅基本条例のことで伺うのですが、先ほど来中山理事の発言もあったのですけれども、住政懇の提言事項を中心に条例案の内容を構成するとされておりますが、この条例の検討のためにプロジェクトチームが発足したわけで、学識経験者から意見を聞くことになっているようですが、この人的構成はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。例えば法律専門家等が中心になるのか、伺いたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 条例案を制定するに際しましての法律上の問題点を中心としまして、行政法さらに民法等の専門家からご意見、ご助言をちょうだいしたい、このように考えております。 ◯橋立委員 各区が住宅政策とか、あるいは住宅附置義務とか、一生懸命行っているわけですね。資料5でいただきましたが、それぞれの条件に応じて、懸命に定住促進の努力をしているわけなんです。特に、ここに来て住宅条例の制定等、附置義務住宅が各区に広がっているわけです。都が住宅条例を制定する場合は、それぞれの区の特徴ある住宅政策を一律化したり、規制する方向ではなくて、こうした区の努力を支援して、法的に弱体な点を補強する方向でなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 まさにおっしゃるとおりであると考えております。 ◯橋立委員 聞くところによりますと、都の条例案はかなり地域の細かい部分まで規定しようとしているように聞いているわけです。しかし、区が独自の工夫をして、次々と条例案をつくっている今となっては、都が余りにも細かい地域の条件まで都条例で規定するのは、かえって好ましくないのではないでしょうか。私たち社会党・都民会議が先日行いました諸団体からのヒアリングにおいても、先進的な区からはそのような危倶が出されておりました。地域の住宅、まちづくりは、基本的には区に任せるという姿勢が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 まず、東京の住宅問題は東京都の問題であると同時に、東京圏全体を視野に置いた広域的な問題でございます。とりわけ東京都の中での広域的な対応は、東京都の責務として種々実施しなければならないわけでございます。また一方、東京の住宅問題は地域性が強いわけでございまして、そういったような側面もございます。例えば区部中心部の問題、周辺区部の問題、あるいは多摩の問題、さらに島しょの問題、それぞれ地域の特性に応じまして、対応すべき住宅対策の中にも当然加わってまいるわけでございます。  そういう観点から申しまして、地域に密着した行政主体でございます区市町村が、住宅対策において果たす役割は極めて重要である、このように考えてございまして、東京都の住宅基本条例におきましても、東京都と各区市町村との役割分担の問題といったようなことは当然としまして、区市町村の施策をバックアップするといった観点を十分念頭に置きながら、その内容を検討してまいりたい、このように考えてございます。 ◯橋立委員 例えば、先ほどつくられました住宅マスタープランですけれども、このゾーニングについても大急ぎでつくったけれど、今後区の実情に応じた微調整というものが必要になると思うわけなんです。地域の問題については区の政策が優先で、都はそれをバックアップするというふうに、今担当部長からもいわれたように、この点を条例でも明確にすることも必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京都がもっぱら担当すべき広域的な観点からの住宅対策と、区市町村がもっぱら担当すべき地域的な課題、これは互いに独立をして、または競合して実施するのではなくて、互いに調整しながら、互いに補完し合うという、良好な関係で政策体系を構成する必要があると考えてございます。したがいまして、区が優先するとか都が優先するとか、そういうような立場ではなくて、互いの協力、協調関係をしっかり体系化する、このような姿勢で検討してまいりたいと思っております。 ◯橋立委員 まず附置義務住宅について伺うのですけれども、現在、資料にもあるように六つの区が実施しているわけですが、これはみな要綱という行政で強制力がありません。罰則がせいぜい氏名の公表ぐらいで、区としては苦心しているようです。そこで都の支援ですけれども、例えば、区との条例上の協議が終わるまでは建築確認をおろさないとかの形で、区の附置義務住宅建設を支援するようにすべきではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 建築確認の問題につきましては、それを専門的に存じ上げているわけではございませんが、一般的に各区の住宅附置制度の中で実質的にされているのはどういうことかということで申し上げますと、各区の方と附置要綱に基づく協議が調わなければ、一般的には東京都の建築確認案件について、区の方から都の方に上がってこないということに、実質的になっているのではないかと思います。そういう意味では、東京都が確認するかしないかという問題よりは、むしろ実質的にその点においては、区のサイドで区の方の政策意想が貫徹されているような状態になっている、私はそのように思っております。 ◯橋立委員 現実、部長がおっしゃったように、確かに区が許可をおろさないことには都に上がらないことになっているわけなんですが、それをさらに都が強力に進めるという面からいきますと、都がそういった面について自動的に認可を与えるというものではなくて、都自身がこれについてももう一つ大きな規制をかける、そういったふうなことの協力もあっていいのではないかと考えるわけなんです。  次に、開発協力金制度について伺いたいと思いますけれども、これについて都はどのような姿勢で臨んできたのでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 中央区、港区、さらに最近では品川区等のように、特に都心区を中心としまして、民間事業者によるビル開発等に際しまして、住宅対策に充てるための財源として開発協力金を求める制度が最近実施されてございます。その開発協力金の制度につきましては、その根拠が要綱でございまして、いわゆる行政指導ベース、すなわち法制度上のものではないといったような問題もございますが、東京都としましては、都心区における定住人口の回復を至上課題としている都心区の立場というものを十分認識してございまして、そういった意味で、今後の各区の要綱の円滑な運用を期待し、その推移を温かく見守ってまいりたいと考えております。 ◯橋立委員 こういったものに対して、代替地の取得とか、あるいは区による住宅建設、公益施設整備などに充てるものとして、附置義務住宅にかわるやむを得ない措置として、区の判断でできるようにすべきではないかとも考えるわけです。均等のとれた都市づくり検討PTでも、近くこの方向を出すのではないか、今検討状況にあると聞いているわけなんですが、事業者が区に払うべき開発協力金を払えない場合、都が一時融資するなどの形で区の政策を裏づけ、支援するとかいう方向は考えられないものでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 一般的に附置制度あるいは開発協力金の対象としているようなプロジェクトといいますのは、大体敷地面積三千平方メートル以上の、かなり大規模な開発でございます。したがいまして、委員から大変すばらしいアイデアが出たわけですけれども、一般的にそのような開発協力金を払えないという企業がそれほど多いだろうか。また、それに対して東京都が都民の税金で肩がわりをするということが本当に適当なのだろうかと、種々検討すべき問題がございますので、一つのアイデアとしてお承りしたいと思います。 ◯橋立委員 それでは、先ほど住宅対策審議会の意見具申について報告があったわけです。これについて一定程度評価しているものですけれども、総合実施計画に反映させて、その具体化に努めてもらいたいと思うのですが、この点について所見を伺いたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 本日ご報告申し上げましたように、住宅対策審議会から提言されました事項につきましては、複合開発による住宅供給の促進策でございますとか、あるいは都市更新に伴う従前居住者の居住継続の支援策など、総合実施計画にできる限り反映できるよう、全力を挙げて住宅局としては取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◯橋立委員 今の部長のお言葉の中で、複合住宅ということがいわれているわけですが、複住総とか、そういったもので借り上げをやっていく場合に、家賃の設定というものが問題になってくるかと思うわけです。ところが、地域の実情が各区市町村ばらばらである、また、駅から近い、遠いによっても家賃には差があるわけです。それが借り上げ型を実施していくことによって、住宅の建設は促進されるけれども、家賃ぞのものが高い方に設定されていった場合、本当にこれが都の資金を入れて借りた住宅、そしてそれが建設された都の住宅として適切なものになっていくのかということが、少し懸念される向きもあるんじゃないかと思うわけです。  やはり住宅は建ててほしい、そして民間でもつくる施策を応援してほしいと思う反面、今度は家賃が、その地域の高いものと同じようなものであっては困ると思うわけですね。これに対して何らかの、これからの検討課題になっていくのでないかと思うのです。そういう制度がつくれるかどうかわからないのですが、基準とかガイドラインとか、そういったもので設けていかなくてはならないのではないかと思うのですが、この辺についての見解を伺いたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 住宅対策審議会の方から提言をちょうだいしました、いわゆる複合空間活用型区民住宅等供給促進事業につきましては、そこで供給される区民住宅には、一般的には同時に優良民間賃貸住宅制度が適用されるものと考えております。そうなってまいりますと、優良民間賃貸住宅制度につきましては、低利の融資等によりまして、その分を家賃に反映させるというようなことでコントロールしてございますし、また地代利回りにつきましても、これは経営者の純収益になってまいりますが、これも一・二五%という年利の中で制限するということでコントロールしてございますので、そういった中で、通常の民間住宅に比べまして安い家賃の設定ができるものと考えております。  また一方、そのような住宅を区の方で借り上げて区民住宅ということで提供するわけですが、その場合には同時にまた、建設省の方の地域特別賃貸住宅制度B型という制度による家賃対策助成を区の方に対して供与するというようなことを考えてございまして、そういうことによりまして、入居者の負担が初年度ベースで十万円前後ぐらいになるようにということで、中堅所得層が幅広く、一般的に入居可能な区民住宅の供給が促進できると考えております。 ◯橋立委員 さて、いろいろな公的助成ということが、今まで説明の中でも出されてきているのですが、少し疑問を覚える向きがありますので、伺いたいと思います。  身近なところで伺います。荒川区内に二つの優良再開発建築物整備促進事業のケースがあるわけですが、町屋七丁目、南千住六丁目ということで、この二つが実施年度あるいは戸数、国及び都、さらには区の補助とかされたわけですけれども、これは全体が幾らで、それぞれは幾らずつの補助が出たのか、そしてまた戸当たりでは総合幾らになったのかを挙げていただきたいと思います。 ◯中津留参事 町屋七丁目の場合でございますが、実施年度は昭和五十九年度から六十年度でございます。戸数が百八十八戸。この補助金でございますが、国の補助金は一億八百万、都の補助金が五千四百三万、区の補助金が同じく都と同額で五千四百三万ということでございます。戸当たりでございますけれども、国の戸当たりが五十七万五千円、都の戸当たりが二十八万七千円、区の戸当たりが同じく二十八万七千円でございますので、全体の戸当たりは百十五万円でございます。  それで南千住六丁目の場合でございますが、実施年度は昭和六十二年度から平成四年度でございます。戸数が六百六十二戸、国の補助金が五億三千六百四十八万七千円でございます。都の補助金が二億六千八百三十七万三千円、区の補助金が二億六千八百三十七万三千円でございます。これの戸当たりでございますけれども、国の補助金が八十一万円、都の戸当たりが四十万五千円、区の戸当たりも同じく四十万五千円でございまして、全体的に戸当たりでございますが、百六十二万円ということになります。 ◯橋立委員 これらの分譲価格はそれぞれどうだったでしょうか。 ◯中津留参事 分譲価格でございますが、町屋七丁目の場合ですと、一番安いもので五十八・九平米で二千百四十万円でございます。それから一番価格が高いもので百四・五平米で三千九百七十万円でございます。  南千住六丁目の場合でございますが、一番安いもので八十二・五四平米で六千五十四万五千円、それから現在まで分譲された中で一番高いものでは、百九十二・八八平米で三億二千六百二十九万二千円でございます。 ◯橋立委員 これは、きのううちの区内に入ったチラシです。南千住アクロシティーの値段なんですよ。新築未入居ということで三LDK九千五百万円、四LDK一億二千五百万円、都の最初に分譲したときは、たしか平米数でいきますと、最初の予定価格は六千万円あたりのものが九千五百万円になっているわけですね。当初の一期分譲でそのまま保留しておいて、それが今度は九千五百万円とか、値上がりをしてきているわけですね。都、国、区から補助金が入った住宅が高価格で分譲されていく。こういったものについて本当に許されるのだろうかなと思うわけですね。こういったものは、予定価格について補助の条件とかいったものがあるのでしょうか。 ◯中津留参事 優良再開発事業の性格でございますが、この事業は、市街地における民間の建築活動を共同化や高度利用により一定基準のオープンスペースを確保して、良質な建築物の整備事業へ誘導するための設計計画や共同施設整備費の一部を補助するというねらいがございます。そういうことで住宅価格につきましては、施行者は原価とか立地条件、規模、質、その他周辺的、平均的な価格などを考慮して決められている状況にございます。  本事業の南千住六丁目の場合でございますけれども、立地条件とか規模等のもので、一部高価格のものも見られますが、この事業の趣旨に合って良質な住宅が供給されるという点から、妥当なものと思われます。しかしながら、今後地価を顕在させない、地権者との例えば共同住宅とか、市街地複合住宅総合設計制度とか、まちづくり手法等の併用などで、より適切な価格で住宅の供給が図れるよう、区市に対して指導してまいりたいと思います。補助金のつくものにつきましての価格の指導でございますが、これについては特段に制限はございません。 ◯橋立委員 これは建てられた当初から、いわゆるうちの地域ではリクルートマンションと呼ばれているものでございまして、リクルートが開発したものです。町屋七丁目の方はわずか三年前で二千万とか三千万で、入居者も結構知り合いが多いんですけれども、やはりそれなりの地域の人たちが買えて住んでいくのによかったのです。しかし、これが一億だ、三億だとなりますと、もともと家を持っている人が売って買いかえをするとかでなければ、地域の人で住むことはほとんど不可能に近いわけなんです。  一時、子供が一人もいないマンションになるのではないかと危慎されましたが、何人か子供さんがいるという、少しは喜ばしいところもあるんですけれども、ただ、先ほど公的な共同施設とかいう話がありましたが、このアクロシティーというのは、一つの囲われたところになっているわけです。せいぜい地域の人が行けるのは階段ぐらいのところですかしら。プールとかもこの中にあるようなんですけども、それすらも住民は知らない。これは本当に住んでいる人のためのものであって、公共施設にはなっていないわけなんです。  そういった公的補助金が入っている効果というものが、ほとんどあらわれていないと思うわけです。こういう分譲価格について、今までコントロールができなかった、実際に規制するものがないというお答えなんですけれども、こういうものについて何か考えることはできないか、再度伺いたいと思います。 ◯中津留参事 この事業の性格としましては、先ほど申しましたような、一定の基準以上のオープンスペースをとって、良好な市街地を整備していくということのねらいがございます。それが主なねらいでございまして、助成自体が住宅そのものに対する融資あっせんとか利子補給ではございませんで、共用部分に対する補助ということがございまして、あくまでも法のねらいというのですか、国のねらいは、良好な市街地を形成するという点がございます。  それでこの場合についても、例えば南千住六丁目の場合は、高度化、更新型という形で、十分の一の公開空地をとるという義務づけがございます。そのようないろんなねらいからつくられてございますので、直接、家賃自体に対する規制というものは難しいんじゃないかと思います。ただ、先ほど申しましたように、他の手法と混用しながら、適性な家賃に近づける工夫はしていきたいと考えてございます。また、そのように区に対して指導していきたいと思います。 ◯橋立委員 新聞報道によりますと、公団の住宅についても億ションとかがつくられてきたわけですけれども、人気がなくなっている。それはなぜかというと、手が届く範囲にないということがいえるわけなんですね。一億円もするような住宅が、本当に庶民性があるかといいますと、決してあるとはいえないわけです。そういう意味でも、これは一つの政策として考えていく上で、公的補助金とか、そういうものが交付されることを考えますと、公開空地が確かにとられてはいても、良質な住宅だといいながら、本当は都民あるいは地域の人たちが住めない、全く異質な空間が生まれてしまう。こういったものは避けていってほしいし、指導していってほしいと思うわけです。  先ほど質問しました中で、家賃のコントロールですけれども、都が行おうとしている住宅政策の中で優良民間住宅制度ですね、これについてもきちっとしたコントロールができていかないと、本当の意味で高値安定ということになっていくと困るなと思うわけです。  これも同じ公団で、市住総で建てられました近所の住宅ですが、ワンルームで八万九千九百円からの家賃設定がされました。これは地域の実情からいいますと、二万円以上高いのです。むしろ駅に近い方が安いという逆な状態が出ているということもあるわけですね。こういう面で、本当に都の融資が入っていた住宅だったのかと思うと、驚いてしまうわけなんです。地域の人たちは、建築をしているときには、公庫融資、公団融資がされているとはわかっていても、建てた後はわからないですし、それがまた、どれだけの価格で貸されていくのかと考えますと、やはり公的資金が入っているんだということは、家賃抑制の効果とか、そういうものを期待するわけですから、その面についての施策の前進を希望したいと思うのです。  ところで、事業概要の中で四二ページになるんですが、ほかのところは除きまして、「都が直接関与する住宅は、入居者負担を原則として収入の二五%以内となるよう工夫」する、これは住宅マスタープランの政策の課題と目標の中で述べられているわけなんですが、この点についての根拠を示していただきたいと思うのです。 ◯岡本住宅政策担当部長 昭和五十年の建設省関係の審議会でございます住宅宅地審議会の答申附属資料によりますと、住居費の負担の限度率としまして、四人世帯の場合を例に申し上げますと、収入五分位階層で、下から順番になりますが、第一分位一五%、第二分位一八%、第三分位二一・五%、第四分位が二一・八%、第五分位が二三・〇%、このようになってございます。また第一分位から第三分位までの、例えば持ち家償還のローン返済の限度率につきましても二五%とされてございます。  こういったようなことを総合的に勘案をしながら、東京都住宅マスタープランにおける政策の目標としまして、住居費負担の目標は、東京都が直接関与する住宅につきまして、おおむね二五%以下、このような目標を掲げたものでございます。 ◯橋立委員 ちょっと確認したいわけですが、都が直接関与する住宅について挙げていただきたいと思うのです。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京都が直接関与する住宅としましては、まず都営住宅がございます。さらに、東京都の関係団体でございます住宅供給公社が供給する賃貸住宅がございます。いわゆる公共的な機関が直接建設、管理をする、そういったタイプのものをもっぱら想定しながら東京都が直接関与する、このように表現したものでございます。 ◯橋立委員 そうしますと一六一ページの使用料の設定の中で、これは都住宅ですけれども、負担率が出ているわけなんです。第一種住宅で収入基準で負担率一六%ですね。第二種住宅で一五%。政策家賃というふうにも書かれているわけですけれども、これが二五%とこの中で出てきますと、直接関与する住宅の中に都営住宅も入ってくるわけですね。そうすると、家賃の値上げ、使用料の値上げというものに、これがもともとうたい込んでいると考えられなくもないのですが、この点についてはどのようにお考えになるんでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 住宅マスタープランで掲げました住居費負担率の二五%の上限、これはあくまでも上限でございまして、先ほど申し上げましたように、一般的には国の審議会が答申の附属資料で示してございますような、各対象階層別の負担率によって適切な家賃を設定をする、これが基本でございます。したがいまして、都営住宅の場合で申し上げますと、収入分位が下から三分の一ということですので、第一分位に相当する第二種公営住宅につきましては一五%、それから第二分位の下位に相当する第一種につきましては、一八%より低い一六%という値を採用しまして、これを政策家賃のベースにしているところでございます。基本的には、今後ともそういったような線で対応していくということでございます。 ◯橋立委員 次に、転用防止策について伺いたいと思うわけです。  公的助成がいろいろされてくるわけですけれども、抜け穴としてよくいわれるのが、住宅として建てたはずが事務所用等に転用されてしまって、定住促進に役立たないばかりか、高いもうけを上げさせてしまう。このようなことがあってはならないわけですが、資料3で見させていただきますと、転用防止についてはわずかに地区計画だけしか挙げられていないわけですね。大変まどろっこしい話じゃないかなとも思うわけです。住宅局は、こうした公的資金の入った住宅について、その後の利用の実態、転用されていないかどうかについて調査していらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 公的資金の入りました住宅の中で転用されるというのは、分譲マンション等が一般的に多いわけでございます。したがいまして、入っている公的資金、これは基本的には住宅金融公庫の融資が中心になって入っております。実は昭和六十二年でございましたか、会計検査院の方で金融公庫融資にかかわる分譲マンションで、例えば事務所等への転用が多いといったような問題が指摘され、また当時、参議院決算委員会でも相当大きな問題になったような記億がございます。  そういうようなことを踏まえまして住宅金融公庫では、とりわけ商業地域等の利便性の高いところに立地する分譲マンションで、金融公庫の融資によって購入されたもの、あるいは公庫融資によって建設されたもの、これに重点を置いて、毎年大体五千戸ないし一万戸ぐらいの物件についてローリング的に用途違反の調査をし、仮に違反があった場合につきましては全額繰り上げ償還、それから年利一四・五%の違約金の徴収をする、こういったような措置を講じてございます。  したがいまして、東京都住宅局としましては直接調査をしてございませんけれども、そういうような形で住宅金融公庫という、マーケットに大変影響力のある公的機関が直接そういった検査をしている、こういった状況にあるということでございます。 ◯橋立委員 意見具申の内容の具体化を図っていく意味でも、いろいろなところへ助成していくわけですね。そういったところで、やはり都としても定期的に点検していくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京都としましては、住宅金融公庫等の関係機関の調査データを今後十分都でも分析しますとともに、仮に必要があれば、東京都独自の調査につきましても研究課題として検討してまいりたい、このように考えております。 ◯橋立委員 住宅局自身が都営住宅の建設中心に今までやってきたわけなんですが、総合的な住宅政策局というふうに変容していってほしいところだと思うのです。公的資金の入った住宅については、居住の実態、特に転用されていないかどうか、また家賃の額については定期的に点検する、そういったところで局の組織自体も整備していかなくてはならないと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯篠木総務部長 ご指摘のとおり、私ども住宅局の課題としては、ただ単に公共住宅を供給するだけではなくて、民間に対する助成も含めて、いわゆる補助金制度を活用し、良質で低廉な住宅を供給していく必要があるということで、新しい方向に踏み出しつつあるわけでございます。当然、その後の管理が極めて重要でございますので、執行体制の整備に当たりましても、そういう面に十分配慮して取り組んでいきたいと考えております。 ◯橋立委員 次に、高齢者とか障害者の対策について伺いたいと思うのです。  地域福祉推進計画に沿った施策の充実が求められているわけですが、第三次長期計画におきます住宅供給計画は、高齢者、障害者についてどのようになっているのでしょうか。単身あるいは世帯向け別にお示しいただけたらありがたいのですが。 ◯岡本住宅政策担当部長 第三次長期計画におきましては、高齢者向け都営住宅としまして二千戸の建設を計画いたしてございます。この内訳としましては、シルバーピア住宅が九百戸、高齢者世帯向けの同居住宅が九百戸、高齢者ペア住宅が二百戸、このような内訳になってございます。次に、障害者住宅対策につきましては、車いす使用者向け住宅供給計画としまして、第三次長期計画では八百戸を計画いたしているところでございます。それらの高齢者、障害者向けの都営住宅の供給計画の中で、単身世帯向けの供給につきましても、その枠内で考えてまいりたいというような計画でございます。 ◯橋立委員 今年度の計画では、新規建設分と建てかえに伴う分で、こういったものをつくっていくということがあると思うのですが、この計画はどのようになっているでしようか。 ◯西村建設部長 高齢者向け、シルバーピアでございますが、この都営住宅は今年度八地区、百八十八戸を予定しております。それから車いす住宅でございますが、今年度、単身世帯向けを含めまして七十戸を計画してございます。 ◯橋立委員 多摩ニュータウンについて伺いたいのですが、車いす使用者向け住宅の供給実績はどのような状況でしょうか。そしてまた、今年度の計画及び達成見通しはどのようになっているのでしようか。 ◯西村建設部長 多摩ニュータウンにおきましては、平成二年度末までに車いす使用者向け住宅十四戸を建設または建設中でございます。この中には単身車いす使用者向け住宅は含まれておりません。車いす使用者向け住宅の建設につきましては、障害者団体の要望や関係区市町村などの意見を聞きながら、地域のニーズに対応しているところであり、平成三年度においては、多摩ニュータウンにおいてこのような要望がなかったことから、建設する計画はございません。障害者の住宅対策は、何にも増して重要であると認識しており、今後も地元区市町村との緊密な連携を図りながら、積極的に対応してまいりたいと考えております。 ◯橋立委員 特に多摩ニュータウンを取り上げさせていただいたのは、中高層住宅が、五万五千八百二十九戸の全体の計画で八六%にも上るわけですが、ほとんどエレベーターがついていないわけなんです。住んでいる人が車いすを使用しなくてはならなくなったという事態に、一階の人とかわってもらうとか、そういうのもあるようですけれども、かわるということは結構困難だとも聞きますし、こういった声にこたえるためにも、エレベーターの設置は必要ではないかと思うわけです。  こういったものについて、特に今、多摩ニュータウンを挙げましたが、東京都全体で、中層住宅のエレベーターの設置を積極的に図っていってほしいと思うのですが、この点についてはいかがでしようか。 ◯西村建設部長 新築する住宅につきましては、現在、四階建て、五階建て以上のもので、一棟二十四戸以上のものにつきましては、エレベーターを設置していくことになっております。 ◯橋立委員 さらに積極的に予算化されていくことを希望したいと思います。  さて住宅建設を進める上で、地域で再開発住宅とか多摩ニュータウンとか、そういったものを見させていただいているのですが、保育園、幼稚園、学校といった施設建設については、場の確保がされているようです。しかし、ここで老人保健施設あるいは特養の施設となるような場というものは確保されているようには見受けられません。地域福祉推進計画では中学校区に一ヵ所、特養ホームの建設という方針が出されているわけなんです。東京全体で、昨年のデータですけれども、九月末現在で五千六百人もの特別養護老人ホームの待機者数があるといったことから考えましても、地域でまちづくり、あるいは再開発が行われるときに、こういったものを後から、計画がコンクリートされてから特養をつくりたいとかいっても、場の確保ができません。  そしてまた、欧米型、ヨーロッパの方をちょっと参考にさせてもらうと、普通の住宅の中に特養のホームがあったりするわけですね。だんだんヘルパーの制度とか充実してきますと、普通の住宅に、そういった介護の必要な方に対してはヘルパーの派遣とかができるようになっているようですが、残念ながら、今、人的確保がおくれている状況の中では、ホームとかの整備を図らなくてはならないだろうと思うわけですね。  地域から分断されて、遠くへ引っ越させられて、そういったところに住まざるを得ないことを避けたいとおっしゃる方が多いわけなんです。この地域で住み続けたいと思う人たちに対しての施策という面では、地域に密着したところにそういったホームがあって、そして地域の人たちと交流を図っていく、それが大事な点ではないかなと思うわけです。  こういうつながりを大事にしながら住み続けていきたいという人の要望にこたえていくためにも、福祉局の施策だからということではなくて、福祉とまちづくりといったものは連携しなくてはならないと思うんですね。こういった計画全般への盛り込みを図るためにも、実際の協議機関の設置、そしてまた場の確保というものを積極的に進めていくことをお願いしたいと思うわけですが、この点については、住宅局としてはどのように検討されてきていて、どういった連携機関があり、さらに今後どのように進めていかれるのか、その点について伺いたいと思うのです。
    ◯篠木総務部長 最近の住宅供給の一つの特徴として、地域のまちづくりという視点が不可欠になっているわけでございます。それは地域環境をよくするということだけではございませんで、そういった福祉的な施策との連携ということも極めて重要になっているところでございます。  現状を申し上げますと、私どもが住宅計画をつくる場合に、地元区市町村との協議が不可欠になってございます。当然、福祉行政の事業主体は区市町村になってございますので、区市町村の計画とすり合わせを行った上で、住宅局でどこまで負担して実施すべきなのか、現状では地域開発要綱に基づいてやっているわけでございますが、そういった区市町村との協議を踏まえて行っているわけでございます。  また都レベルでは、福祉局ないし養育院の方で高齢者向けの計画を持ってございますので、そういったものとの整合を図りながら、その都度、協議会をつくって対応しているわけでございます。最近の例といたしましては、大森市場の跡地に養育院の施設を合築することによって対応するというケースがございますけれども、ケース・バイ・ケースで、都、福祉局、養育院、それから私どもと連絡協議会をつくって、計画に沿って実施しているところでございます。 ◯橋立委員 やはりマイタウン東京とか、住み続けていけるための東京ということが、鈴木都知事自身も進めてこられたわけですけれども、本当に都民が住み続けていく、あるいはそこに暮らし続けていく施策というものが求められているのではないでしょうか。こういった面でも連携を深めていくとともに、その場その場での協議にとどまらず、やはり連携して協議していく機関とか、そういった設置が必要ではないかと思うわけですね。こういう面についての高齢者施策の充実がさらにされていきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◯大沢委員長 この際、議事の都合により五分程度休憩をいたしたいと思います。    午後三時五十三分休憩      ━━━━━━━━━━    午後四時十分開議 ◯大沢委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  発言を願います。 ◯西田委員 それでは幾つか質問させていただきますが、初めに、臨海部の住宅の問題についてお聞きをいたします。  臨海部問題に関連いたしましては、第一次報告について既に特別委員会で二回、都合三日間質疑が行われました。私たちが質疑をすればするほど、この見直し案が見直しに値しないものであるということが明らかになったと考えております。  とりわけ住宅建設につきましては、超高層住宅について、防災防犯上あるいは居住性能の点からも、いろいろ問題点が指摘されているわけですが、七〇%もの居住者が超高層住宅に住む問題や、あるいは多くの住宅がこれから埋め立てるところに建てられるために、供給時期は平成十二年以降になるだとか、あるいは民間地権者の協力が得られなければ、計画戸数の確保すら困難になるだとか、こういう見直し案の柱である住宅の問題、このことがいろいろと議論されましたけれども、結局、住宅を一千戸ふやすことで、この見直し案を都の方針として決定をしたわけです。  私どもは、これは都民を納得させることができない、こういう立場から都の方針として決定すべきではないという申し入れも行いましたし、あるいはこの決定をした後でも、これは都民への挑戦であるという談話を発表するなど、批判してきたところです。  それはさておきまして、この決定に基づきまして、台場地区の実施計画が一部変更になりました。どのように変更になったのか、改めてここで明らかにしていただきたいと思います。 ◯廣瀬参事 台場地区の住宅計画につきましては、先生ご指摘のとおり、去る十月の二十八日に開催された臨海副都心開発・東京フロンティア推進会議において、地区別実施計画の一部変更等が行われたわけでございます。  変更の内容でございますが、各街区ごとに申し上げますと、まず一番北側の先端のI街区というところでは、面積が一・七ヘクタールで開発主体が民間だったものが、面積一・四ヘクタール、開発主体が公的主体と変わりました。それに隣接するJ街区につきましては、これは教育施設の用途でございますが、面積が一・〇ヘクタールから一・二ヘクタールに変更になったところでございます。それから一番南側のA街区につきましては、開発主体が民間で用途が商業施設だったものが、開発主体が公的主体、用途が住宅公益施設等に変更になったところでございます。さらに公園につきましては、面積が一ヘクタールから一・一ヘクタールに増加になったわけでございます。以上が土地利用の計画でございます。  それから、開発規模の変更でございますが、変更前は住宅戸数が千七百戸であったものが変更後は約千八百五十戸、これはA街区の土地利用の変更に基づくものでございますが、百五十戸の増となったものでございます。  次に、台場地区の住宅供給事業主体の変更でございますが、これまで民間住宅を六百戸としていたものを、全部公的住宅に変更になったことによりまして、東京都住宅局の供給する住宅につきましては、供給戸数が約二百二十戸から約三百七十戸に増加になりました。東京都住宅供給公社につきましては、約四百四十戸から約七百四十戸に増加になりました。住宅・都市整備公団につきましては、約四百四十戸から約七百四十戸に増加になりました。  これに基づきまして、公営住宅につきましては約百二十戸から約二百四十戸、都民住宅につきましては、これは今までは地域特別賃貸住宅A型及び地域特別賃貸住宅B型と分けて表現してございましたけれども、合わせまして五百三十戸のものが八百七十戸に増加になりました。それから公団住宅は先ほど申し上げた七百四十戸でございます。  以上合わせまして、千七百戸から千八百五十戸に戸数がふえたという内容でございます。 ◯西田委員 住宅戸数が百五十戸ふえたことに伴いまして、駐車台数ですね、車の台数はどのように変わるでしょうか。 ◯廣瀬参事 駐車台数でございますが、変更前については、アセス評価書では住宅分、それから施設分、全体合わせまして千四百六十五戸としておりました。変更後につきましては、まだ詳細な台数は不明でございますけども、戸数が百五十戸ふえましたので、その増分といたしまして戸数の六〇%を確保するといたしますと、九十台増加するわけでございます。  一方、これまで民間住宅分として一〇〇%、六百台としておりましたが、これが公的住宅に変更したことによりまして、これを六〇%、三百六十台となりますと、相殺いたしますと、全体として百五十戸ぐらい減る勘定にもなりまして、余り変化はないんではないかと考えております。 ◯西田委員 先ほど、街区ごとにどのように変更になるかというお話がございましたけれども、変更になる街区の建物の高さとか、あるいは住棟の配置だとか、これがどのように変わるか、もう一度明らかにしていただきたいと思います。 ◯廣瀬参事 まだ変更の具体的な内容については固まっておりませんけれども、おおむねの各街区ごとの住棟の配置及び戸数については整理されておりますので、それでご説明させていただきます。  まずI街区でございますが、これは面積が若干減少し、開発主体が民間から公的主体に変更になりますが、戸数、住棟の配置、高さ等は、ほぼこれまでと同じと考えております。  K街区は既に設計も進めておりますので、変更はございません。  A街区とL街区でございますが、A街区については、先ほど申し上げましたように、民間による商業施設の用途から、公的主体による住宅と公益施設等に用途が変更になったわけでございます。L街区につきましては、面積が一・三ヘクタールで、都及び公社による十四階建て約百七十戸、及び公団による五階建て約七十戸、計二百四十戸の住宅と、それから区の施設やスーパーマーケット、店舗等、施設が約二万平米計画されていたものでございますが、変更後は、このAとLの街区を一体として計画の見直しをしておりまして、ここに都と公社と公団による公的住宅約三百九十戸、それから公益施設を、これはまだはっきりしませんが、一万一千から一万二千平米程度縮小になると思いますが、この程度の配置をすることにしております。これに伴いまして、住棟の配置につきましては変更が生じますけれども、変更前と同様に、十三階から十四階建ての高層住棟、これは四棟考えておりますけれども、この高層住棟を中心に、それに三ないし四階程度の中層住棟を配するという内容となる予定でございます。 ◯西田委員 前の計画で、環境影響評価書案が出されているわけですが、この評価書案というのは、実に条件が厳密に書かれておりますね。何階の建物で、それから何戸でとかね。そういうアセスが行われたわけですけれども、この住宅がふえることによりまして、今お話がありましたようなA、L街区につきましては、やはり変更があるわけですよね。全体として車が減るとかいうのもありますが、建物の高さの変更や配置の変更というのががあるわけですから、当然、アセスのやり直しを行うべきではないかと思うんですけれども、その点はどうお考えでしようか。 ◯廣瀬参事 A街区、L街区の変更に伴う環境影響評価についてでございますが、先ほどから申し上げましたように、まだ具体的な内容が固まっていない段階でございますので、今後内容が確定した時点で、環境保全局の指導によりまして、アセス条例の趣旨に従って所定の手続を進めてまいりたいと考えております。 ◯西田委員 環境保全局の指導に従って所定の手続ということですが、平たくいえばやり直しをしますというお話なのかどうか、もう一度明快にお答えください。 ◯廣瀬参事 先ほど申し上げましたように、まだ具体的な内容が固まっておりませんので、これが固まってから環境保全局のご指導を仰ぎたい、そういうふうに考えておるわけでございます。 ◯西田委員 ちょっと時間もあれですから、くどくはいいませんけれども、こういう手続というのは、やはりきちんと一つ一つやってきているわけですから、状態が変われば改めてやり直すのは当然のことだと思うんですね。このI、K、L街区を一体としてアセスをやったわけですから、住宅建設の時期があるとか、いろんなことでここだけ切り離してやるなんてことは、もちろん考えられないことだと思うのですけれども、こういう変更があって、影響は小さいに違いないから、これはやらなくていいなんていう理屈は成り立たないんだろうと思いますので、やはり所定の手続に従って、きちんとやるべきであるということを申し上げておきたいと思います。この問題はこの程度にとどめておきます、時間もありませんので。  次に、都の住宅政策にかかわってお伺いをいたしますが、第三次長期計画、それから住宅マスタープラン、こういうものがつくられまして、民間活力を中心にして公的住宅を三十五万戸ですか、十年間に百七十五万戸建設するという計画がつくられたわけです。私どもはかねがね、いろいろなメニューが並べられているんだけれども、やはり都が責任を持って推進するという、その中心的なところが──安くて質のよい公共住宅ですね、都営住宅を中心にして大量に建設すること、これが中心的な柱にならなければならないんじゃないか、そうしなければ都民の住宅問題は解決しない、こういうことを繰り返し指摘をしてまいりました。  そういう立場に立って、若干質問をさせていただくわけですけれども、六十三年度の調査で、都営住宅の需要実態調査報告書というのがありますが、これについて若干、どういう中身が書かれているのか、お答えをいただきたいと思います。  まず都営住宅に入居を希望した人、つまり応募をした人たちの状態が、それまでどういうことだったのかという調査が出されているわけですね。私は読ませていただきましたけれども、大変貴重な、大事な資料なんじゃないかなと思っております。ここで都営住宅に希望する人たちの、つまり住宅困窮ですね、住宅困窮だから希望するわけですが、その理由について、この調査ではどのように明らかにされているか、それをまずお伺いしたいと思います。 ◯大賀管理部長 ただいまお話しの都営住宅需要実態調査でございますが、これは昭和六十三年五月の空き家公募並びに十月の新築公募に際しまして、申込者の方を対象に調査したものでございます。空き家住宅三万二千四百三十七人、新築住宅三万二千六百一人のうち、三八%、二万五千八人を抽出いたしまして、ただいまお話しのように申込時の住宅等を調査したものでございます。  その中で、住宅の困窮理由といたしまして三つまで挙げていただいたわけでございますが、第一位が住宅の狭さ、これが三五・九%でございます。第二位が家賃が高いということで二六・四%でございます。以下立ち退き要求、老朽、日照、通風、設備等、順番がございますけれども、いずれも一割に満たない、いわゆる一〇%未満という状況でございます。 ◯西田委員 やはり狭い、家賃都高い、これが圧倒的に多くの理由になっているわけですけれども、考えてみますと、狭いというのも、要するに、もうちょっと広いところへ移れぱ家賃が高くて移れない、こういう中身だと思うのですね。ですから、よく住宅問題は家賃問題だというお話をお伺いいたしますけれども、まさにそういうことが、この結果の中にもあらわれているのではないかと思います。  そこで、どれくらいの家賃で高いというふうに感じておられるのか、これを少しお示しいただきたいのですが。 ◯大賀管理部長 調査結果に基づきます家賃の項目でございますが、借家の家賃は四万円から七万円未満の割合が半数を占めておりまして、七万円以上も二割近くに及んでおります。これを種別に見ますと、一種の六〇%強が五万円以上に集中しておりまして、二種は五万円未満に半数近くが集中しております。平均家賃は五万二千八百八十円でございます。 ◯西田委員 これは六十三年度の調査ということがありますので、現在の時点と一致しているかというと、そうではないのかもわかりませんが、しかし五万円を境にして、五万円以上は高いと感じる人が、一種を申し込む人で六〇%いるということなんですね。  私は、この資料をずっと見てみましたら、都営住宅はなかなか一回で当たらないというので、私の知り合いの人は二十回申し込んでも当たらない、何とかしてくれないか、そういったって抽せんだから何とかならないと、こういう話をよくするんですけれども、回数を多く申し込んだ人が、どうして申し込んでいるか、この理由についても書いてあるわけですが、やはり六回以上申し込んでいる。これが家賃の別で見ますと、やはり七万円以上の家賃の方が六回以上申し込んでいるわけですね。  だから、六回なのか、八回なのか、十回なのかわからないわけですが、必死になって申し込んでいるというのが一つあらわれていると思います。さらに、六回以上申し込んでいる人の中で、やはり一位が狭いということ、二位が家賃が高いということで、家賃が高いので何とか都営住宅に入りたいと申し込んでいる。これも考えるべき中身を持っているんじゃないかなと思います。  さてそこで、この調査の中には、住宅の所有関係といったらいいのでしょうか、木賃だとか鉄筋住宅の賃貸だとか、そういう住宅の所有関係別に、家賃や負担率というのが示されておりますけれども、それがどのようになっているか、これもちよっとお示しいただきたいのです。 ◯大賀管理部長 住宅の所有関係でございますが、分類といたしましては、持ち家、公営、公社、公団の公共住宅並びに民営借家、民営アパート──民営アパートにつきましては、木造賃貸アパートと鉄筋賃貸アパートに分類してございます。それから社宅、寮、次に間借り、下宿、親族の家と分かれてございます。ただいまの家賃負担率との関係で申し上げますと、鉄筋アパートが三二・二%と最も高く、公営住宅にお住まいの方が九・七%、社宅、寮が八・三%で、社宅、寮が一番低い状態となってございます。 ◯西田委員 鉄筋の賃貸アパートの場合に、平均で六万七千数百円の家賃で、負担率が三二・二%だと。これは大変な家賃負担をしていることで、どうやって暮らすのかなと、私なんか心配をするわけです。  そこで、もう一つお聞きをいたしますが、収入層別の家賃負担率というのはどのようになっているでしようか。 ◯大賀管理部長 収入階層別の家賃でございますが、家賃額といたしましては平均家賃がほとんど変わらず、五万円前後でございます。したがいまして、収入の低いほど家賃負担が重くなるという傾向にございます。  今回の六十三年度の調査で見ますと、第二種住宅につきましては、年収百五十万から二百五十万未満の方が四五・三%を占めてございます。この人たちの家賃負担率を見てみますと、百五十万から二百万未満の方で三五・六%、家賃額にいたしまして五万三百八十円でございます。二百万から二百五十万円未満の方につきましては二七・八%の負担率で、五万一千二百七十円でございます。また第一種住宅につきましては、三百万円から四百万円未満の方が六二・四%と多くを占めてございます。したがいまして、三百万から三百五十万未満の家賃負担率は二〇・五%で、五万四千五百三十円でございます。三百五十万から四百万未満の方は一七・九%の負担率で、五万五千五十円でございます。 ◯西田委員 ここにグラフも書いてあるわけですけれども、家賃がそう変わらないわけですから、当然低所得者ほど負担率が高くなるということになりますね。ここに書いてある表で見ますと、五十万から百万未満というのは、特殊なのかもしれませんが、七三・六%の負担率になっているとか、それから二百万から二百五十万円未満でも二七・八%の負担率、五百五十万円以上の人は六・七%の負担率とか、こういうふうになっているわけですね。  最近私は、この第三次長期計画やマスタープラン、都の重点施策、住宅ですね、これをずっと見てますと、よくいわれるんですが、中低所得層の住宅を確保するという問題が、何か後景に追いやられているんじゃないかというふうに、ざっと読んで、あるいはざっと聞いて、そう感じるという人が多いんですね。私ももちろんそう思います。そういう点では、どういう家賃になろうとも、所得が低ければ低いほど負担率が高くなるというのは、どの部分でとってもそうなるんだろうと思うのですが、私は、まず東京都が本当に公営住宅法の精神に立って、低廉な家賃で良質な住宅を大量に都民に提供する、ここにしっかりと柱を置いた上で政策を考えていかなければいけないのじゃないかと、改めて思います。  そこでお伺いいたしますけれども、昨年度の都営住宅の応募状況について、どのようになっていたか、応募数あるいは倍率について、お示しをいただきたいと思います。 ◯大賀管理部長 お手元の資料の二七ページ、都営住宅の応募状況の推移でございますが、その表の一番下の平成二年度でございます。新築住宅につきましては一種三百三戸、二種五十七戸、計三百六十戸に対しまして、申込者数が三万一千百四十三人、倍率は八六・五倍でございます。  なお、五月の空き家住宅でございますが、一種住宅三千二百七十戸、二種住宅が一千百五十一戸、計四千四百二十一戸に対しまして、二万二千百五十五人の応募者がございまして、倍率は平均五倍でございます。 ◯西田委員 これは都の公募分ということで、今お話をいただいたわけですが、地元割り当てでも大部分がダブっているとか、そういうことはあると思うんですけれども、依然として高い倍率を示しているわけですね。ずっと例年比べてみましても、この平成二年度の応募倍率というのは、一種にしても二種にしても、平均にしても、相当高くなっているという実情にあります。空き家についても、応募する人は若干の減少があるようですが、二万二千人を超えて、入居をしたいという人が申し込んでいる。こういう実態で、これをどう見るかというのはあるわけですが、やはり都営住宅が本当に供給がし切れていない、不足している、このことをあらわしているんじゃないかと思います。  そういう点では、改めてお伺いをいたしますが、先ほど申し上げましたように、都営住宅の大量建設をしっかり据えながら──計画自体に私は不満があるわけですけれども、しかし計画ですから、これでというのも難しいんでしょうが、大量建設をしっかり柱に据えて、住宅局の政策は取り組んでいく必要があるんじゃないかという点で、ひとつご意見をお伺いしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 東京都の住宅政策につきましては、これまで都営住宅に重点を置いて展開してまいったところでございます。このことが都民の住生活の安定向上に大きな役割を果たしてきたところでございまして、今後とも引き続き都営住宅の建設を着実に推進する必要があると考えております。  そこで、第三次長期計画におきましても、合築方式の導入あるいは中層耐火構造の建てかえの本格的着手等の新しい工夫等を講じまして、建築戸数を第二次長期計画の五万二千五百戸から、一四・五%増の六万百戸というふうに拡大を図ったところでございます。第三次長期計画にのっとりまして、今後とも着実に建設を推進してまいりたいと考えております。 ◯西田委員 着実に推進してまいりたいと、これは当然のご答弁だと思いますけれども、それでは昨年度の建設実績がどうであったか、それから今年度の今日までの着工件数はどうなっているか、新築、建てかえ別にお答えください。 ◯西村建設部長 昨年度の都営住宅は、計画戸数五千戸に対しまして四千六百三十九戸が実績となってございます。今年度につきましては、計画戸数五千五百戸に対しまして、第一・四半期に建てかえが百八十二戸、第二・四半期に新築が六戸、建てかえが二地区百二十一戸でございます。第三・四半期につきましては、現在約五百七十戸を予定してございます。累計で八百七十九戸、一六%ほどの進捗率ということになってございます。  なお、第四・四半期の着工となる残りの団地につきましては、地元区市、周辺住民及び居住者等と鋭意協議、折衝を続けておりまして、極力早期に着工するよう、計画の達成に向けて努力しているところでございます。 ◯西田委員 昨年度、建てかえ、新築合わせて五千戸という計画ですが、四千六百三十九戸ということで、目標は達成していないわけですね。特に新築の方が、なかなか思うように毎年毎年いかないということがあると思うのですが、私は何回も繰り返して、発注の平準化の問題とか、いろんな要因があるんでしょうが、入札不調なんてことにならないように、そういうことにも体制をつくりながらやっていく必要があるんじゃないかというふうに申し上げてきたわけです。残念ながらことしも、あと残す最終の第四・四半期を除いて、まだわずかに一六%の進捗率だということになるわけですが、どうなんでしょうね、これは達成する見込みがおありになるんでしょうか。 ◯西村建設部長 計画戸数五千五百の達成に向けまして、努力をしてまいります。 ◯西田委員 そういうお答えしかないんでしょうが、実は、昨年度も一昨年度も同じようなお答えをお聞きいたしまして、しかし現実にはそうならないという残念な事態が続いております。これはもう昨年申し上げましたので、繰り返してお聞きをすることはいたしませんけれども、昨年までの五年間で、新築住宅で積み残しというのですか、目標までできなかった。それが千四百戸余りになったはずなんですね。これを建てかえでカバーしたら、幾つの住宅を建てかえなければなりませんかとお聞きしたら、四千八百から五千戸ですという答弁もあったわけですね。  今年度また、今のような実態で新築もなかなかどうも、このままいったら大丈夫かなと私は思うわけですし、特に五千五百戸という、建てかえも含めた目標が本当に達成できるのか、ちょっとどうなんだろうかというふうに疑問に思わざるを得ないわけですが、そういう点では、着実に推進していくとか、それを柱に力を入れてきたとかいわれましても、実際にはなかなかそうなっていない、これが現実じゃないかと思うのです。  今年度は幸いというのでしょうか、新しい土地もいつもよりは買えているというお話も伺っておりますが、もともと東京都には臨海部を初めといたしまして、都有地というのがあるわけですよね。都有地はあっても都営住宅をつくらない、こういう中で新築住宅もなかなか進まないということになっているんではないかと思いますが、いま一度本当に──都営住宅一千五百戸の計画なんか、私はこれじゃしょうがないと思っているんですね、繰り返しいつもいっておりますけれども。しかし、それすらもできない、これがずっと続いてきている、どんどん積み重なっていく、だけど目標だけは大きくしていく、こういうやり方で都民の住宅難を解決することなんか、絶対にできないのじゃないかと思いますが、この点についてもう一度、どういうお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◯西村建設部長 新規建設につきましては、ご指摘のように、用地の問題がまず重要というより、それだけの問題というふうに考えております。用地につきましては、先ほどもご指摘ございましたように、本年度は民間からの買収が比較的順調に進んでいるということが一つございます。また今後とも、都有地の活用、合築推進計画、あるいは国公有地の取得ということに努力を向けまして、新築住宅の達成に努力してまいりたいと考えております。 ◯西田委員 それはお聞きをしておきたいと思います。  あわせて簡単にお聞きいたしますが、先ほどもお話が出ましたけれども、車いす使用者の単身用の住宅が、これまでどのようにつくられてきたか、実績についてまずお伺いいたしまして、今年度はどういう計画なのか、これからはどういう計画なのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 ◯西村建設部長 車いす使用者の単身者向け住宅につきましては、昭和五十九年度に練馬区光が丘で三戸、六十二年に江戸川区平井七丁目で二戸の計五戸でございます。なお今年度につきましては、港区の台場K街区で一戸、大田区大森本町二丁目で四戸、計五戸を計画してございます。 ◯西田委員 車いすを使用して一人で暮らしておられる方は、私が知るだけでも何人もいらっしゃいます。非常にこれは切実な要求になっているはずなんですね。ところが今もお話がありましたように、わずか五戸しか、これまでにつくられていない。今年度五戸という計画ですけれども、この間何年かゼロで来たわけで、つくらなかったわけですよね。本年度五戸つくるけれども、来年度以降はまだ計画がはっきりしていないというようなことでは、本当に福祉のまちづくりとか、だれもが安心して暮らせる東京だなんていうふうにいえないんじゃないかと思います。  去年でしたでしょうか、都営住宅に単身で入れないから二人でということで申し込んで、それが実は違ったということがわかって、議会にまで諮問されるというような事件もありましたが、そんな思いをしなければ、車いすを使用している単身の方が住むところがないなんていう、都民を放置しておくような、そういう施策ではいけないと思うのですね。そういう点では、車いす使用者の住宅八十戸というのが先ほどありましたが、その中で単身用の住宅五戸で、この広い東京で足りるとは絶対に思いません。今後、この点についても大いに力を入れて建設をしていく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◯西村建設部長 車いす住宅につきましては、先ほどもご説明申し上げましたように、長期計画において八百戸という数字が上がっておるわけでございます。この中で単身向けにつきましても、当然ご要望があることは、我々も承知しておるわけでございます。今後、地元区市との協議を進めながら、地域の実態に合った車いす住宅の供給ということに努めてまいりたいと考えております。 ◯西田委員 次に、公社住宅の建てかえ問題について、若干お伺いをいたします。  公社の建てかえ問題は家賃問題ということで、再三いろいろな場で、議会で指摘をしてまいりましたし、各党から議論が行われてきたところでございます。やはり居住者の納得と合意が得られるような家賃、いわゆる安い住宅ですね、あるいは家賃の軽減の方策、こういうことが見つかるまで十分に居住者の方と話し合って、決して強行すべきではないと私は思います。そういう意味で、今年度は住宅供給公社の評議員会でも、予算を凍結して、居住者の方とじっくりと納得が得られるように話し合うべきではないかと求めてきたところです。  しかし、六月には対象団地に対しまして説明会が行われたということであります。これまでは十五万五千円の最高家賃とか、モデル試算で行われていましたけれども、それぞれ具体的な家賃の呈示もあったとお聞きしておりますが、どういう内容が示されたのか、家賃や減額措置についてそれぞれ説明をいただきたいと思います。あちこち全部というわけにもいきませんから、薬王寺の場合で結構でございます。 ◯竹内参事 公社の建てかえ事業についてお答えいたします。薬王寺住宅に対して説明をいたしましたのは、六月十六日に説明をしてございます。その内容につきましては、建てかえ事業の進め方、それから移転についてということで、移転につきましては仮移転、本移転がございます。それから建てかえ住宅への戻り入居について説明をしてございます。それから、事業の概要ということで建てかえ計画の概要、それから概算家賃額ということでご説明をしてございます。建てかえ後の家賃の概算、試算でございます。これはあくまでも平成六年入居を想定した家賃で、経済情勢の変化、入居がおくれた場合などにより家賃が変わることがあるということで、一LDK、四十一平米のものでございますが、公募の家賃が一年目が概算八万二千円で、その後逓増してまいりまして、八年目以降でございますが、十一万七千円となります。これに対しましては激減緩和措置をとってございまして、七年と十年の選択となっております。七年のものについては、六五%の減額から、七年目が一〇%の減額ということで、段階的な措置がされてございます。十年のものについては、一年目が五〇%、十年目が四%という減額率でございます。  二DKで五十一平米のものについては、概算公募家賃が一年目が十万二千円で、八年目以降が十四万四千円でございます。減額措置につきましては一LDKの場合と同様でございます。  それから三DK、六十平米でございますが、概算公募家賃が一年目は十二万一千円でございます。八年目以降が十七万円ということになっておりまして、激変緩和措置につきましては同様でございます。  それから、家賃の特別の減額措置をしてございます。減額措置につきましては、高齢、低所得世帯等に対しまして特別減額をするものでございます。内容としましては、戻り入居時点で世帯収入が公営第一種住宅入居資格基準の上限以下の方でございますが、それで次の基準に該当するということで、世帯主の年齢が六十五歳以上の高齢世帯、身障手帳の四級以上、または愛の手帳三度以上の者を含む世帯、一人親世帯で同居親族が二十歳未満の子供だけの世帯ということで、十五年間、いわゆる公営住宅の第一種の家賃を基準に定めるという内容のものでございます。また、生活保護世帯への特別減額措置も行われてございます。これにつきましては、家賃額を住宅扶助限度額、平成三年度現在五万二千七百円でございますが、それを上限とするということで、これも特別減額措置をしてございます。  一応、そのような説明を六月十六日の時点でいたしてございます。 ◯西田委員 七年後あるいは十年後に、三DKの場合になりますと十七万円を超える家賃を払わなければならないということでありますけれども、当初、一般的な試算で出されたときに、十五万五千円だということで、居住者の皆さん大問題になったわけですよね。とにかく家賃が高いから、私たちは建てかえ反対というわけじゃないけれども、この家賃ではとてもじゃないけど戻れないから何とかしてくれと、こういう要求を出している間に、今度は十七万円という試算になっている。これでは話し合いがつくはずがないと思うんですが、いかがでしょうか。 ◯竹内参事 この家賃につきましては、住宅金融公庫の家賃算出基準により算出したものでございます。この中では都の貸付金が六〇%相当ございますが、その分の償還金見合いのものについては家賃に算入してございません。そういった家賃の仕組みでございますが、そのほか戻り入居者に対しましては、激変緩和措置をとるなり、あるいは先ほどの高齢者対策等によって対応してございます。そのほか、いわゆる型別の供給ということで、家賃が払えるように、あるいは住宅に続けて入居ができるというようなことを考慮しております。 ◯西田委員 いろいろおっしゃること、今の仕組みの中でやれぱそうなるということは私も承知をしていないわけではありませんけれども、いずれにいたしましても、今住んでおられる皆さんは、去年もこれはたしか私資料をちょっとあれしたんですが、最高で二万幾ら、ご答弁でも二万円から二万五千円ぐらいの家賃ですというふうにおっしゃいました。そういう方々が、今度、それは今減額措置がある、こういうふうにおっしゃいますが、例えぱ二DKでも七年間でということになれば、三万五千七百円から始まるわけですね。それから、十年でとなれぱ、五万千円から始まるわけですよね。今までの、もういきなり三倍ぐらい、とにかく始まるところから大変な値上がりになる。しかも、毎月毎月そういう家賃を払いながら、翌年になると、一万円とか、高い場合には、三DKの場合などは二万円ですよね。毎年、一万幾ら、二万円の値上げになるわけです。  こういう激変緩和措置があるとはいいながら、私は、仕組みは云々とはありますけれども、こういう値上げで、今まで住んでおられた家賃の暮らし向きをしてきた人たちが、こういうことに対応できるかどうか、つまり生活が追いついていくんだろうかと思うんです。どうでしょうか。 ◯竹内参事 先ほど来申し上げましたように、軽減措置、いわゆる激変緩和措置ですね、それから高齢者に対する対応、それからその世帯に対する対応等をとってまいりますわけでございますが、それ以外に、先ほども申し上げましたけれども、型別の供給ということで、これでまいりますと、現在の薬王寺の家賃が二万二千円でございます。四十一平米の場合ですと、若干高目ではございますが、ある程度の対応ができるということになろうかと思いますが、それ以外に、居住者の意向の実際の調査によっては、例えば地域特別賃貸住宅のB型といったようなものも導入することについての検討をするとかいう工夫をして対応していきたいと考えております。 ◯西田委員 これは繰り返しになりますけれども、例えば一LDKの四十一平米にいたしましても、とにかく二万二千円の家賃が、十年減額でやろうとすれぱ四万千円になるんですよね。やはり倍なんですよ。それから、毎年毎年、一万円ぐらいずつ値上げになるんです。私は、生活というのはいろいろ工夫して、切り詰めるところは切り詰めるとか、やらなきゃいけませんけれども、それにしても、余りにも家賃が高いために、本当に通常では考えられないような高額の傾斜にならざるを得ないということになっているんじゃないかと思うんです。  こういうことで高齢者等の特別措置がある、あるいは生活保護世帯等の特別措置があるといわれましても、この通常の家賃というのはとにかく高いんじゃないか、今の生活実感からすれば、本当にどうにもならないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、そう思いませんかということをお聞きしたいんです。 ◯竹内参事 ただいまの住宅が二万二千円ということで、それから建てかえ後の高いところに入るのには、その家賃は相当高いんではないかということでございますけれども、この建てかえそのものが社会的要請ということで、まちづくりですとか、あるいは今後の高齢者対応とかいうことで事業が実施されるものでございます。そういう面では、ある程度のご協力というものはやむを得ないんではないかと思いますが、いずれにしましても、そういうためにも、都営住宅への住みかえというようなことも考慮し、なるべくご協力が得られるような方法をいろいろと考えて、ご提示してきているわけでございます。  今後とも、そういう意味では、居住者団体あるいは居住者との話し合いを通じて、十分に納得していただくように進めてまいりたいと考えております。 ◯西田委員 それはこれ以上お聞きしても、お答えは変わらないと思いますので、とにかく本当に今住民の方々がこれではどうしようもない、こう思っておられる気持ちは、私は皆さんもよくおわかりになっていらっしゃるのではないかと思うんですけれども、そうじゃないなどという話は絶対出てこないと思うんですが、とにかく住民の方々と本当に納得がいくような解決の方向を見出すまで、十分に話し合いをしていただきたいと思います。  それから、今特別減額のお話がございましたけれども、私はかねてからこれについてもずうっといい続けているんですが、十五年限りの特別減額ですね。お年寄りの方、六十五歳の方が十五年たって八十歳になったら、この減額措置がなくなる。そうすると、十五年たっていますから、いきなり最高の金額を払わなければならなくなる。あるいは住宅供給公社で私がお伺いしたときには、これはあくまでも入居するときに六十五歳の人に対する減額措置だとおっしゃったわけなんですが、私は、それじゃおかしいじゃないかといいましたら、今度はそうじゃなくて、何か途中で生活保護基準ですね、減収になって、そういう方にも適用するということに前進しているようです。しかし、五十五歳で入居をなさって、そして十年たって六十五歳になった、そうしたら、収入が減っていれば、この特別減額の該当者になると。だけれども、あと五年たったら、それは減額は五年でおしまいで、その先は、今度はまた、七十歳になったら最高の家賃を払わなけれぱならないということになるわけです。  私は、この高齢者等の減額措置というのは、やはりあくまでも戻り入居して、その住みなれたところに住み続けられるようにという配慮で、これはおやりになるんじゃないかと思うんです。ところが、七十歳になった、八十歳になった、そうしたら、もう最高の金額で払えなくなった、こういう場合はどうするんですか。 ◯竹内参事 高齢者の対策につきましては、十五年間で打ち切るということでございますが、私どももこの建てかえ事業を実施するにつきまして、先ほど来申し上げておりますように、なるべく居住者が住み続けられるような対応をということで、いろいろなことを制度の中に入れてきているわけでございます。そういう中で、十五年で切るのはおかしいということではございますが、私ども、やはり財政的な限界というものがございます。これはあくまでも都の公社の施策というのが、中堅所得層を対象とするということでできているわけでございますが、しかし、この建てかえということに伴いまして、高齢低所得者の方に対する対応と、せっかく長年住みなれたところに住み続けたいということで、この実態に即して、ある程度対応が必要だということで考えたわけでございますが、そういう中でも、やはりある程度の限界があるというのが公社側の立場だというふうに考えます。  しかし、都としても、この高齢者の実態に即しまして、大幅な財政支援をしているということで、先ほど申し上げました公社の本来の目的あるいは都としての当然の支援をすれぱ、こういった点につきまして、若干財政の事情も勘案して、現状におきましては、こういったものを勘案した上で一定の限度が設けられるというのは、やむを得ないのではないかというふうに考えております。 ◯西田委員 限度が設けられるのはやむを得ないといわれましても、とにかくもう住み続けたいという人が戻ってきて、七十歳、八十歳になったら出ていかなくちゃならぬ、これは施策の矛盾でもあるんじゃないでしょうか。私は、本当に今高齢者になって住みなれたところを離れちゃったらどういう状態になるかというのは、もう申し上げるまでもなく、痴呆になる方がいらしたり、という問題まで起こってくることなんですよね。そういう意味では、やはりここでは高齢者等の減額、これとても私はいろいろまだ問題があると思いますけれども、少なくとも東京都がお金を出して、この制限は取り払って、そこまでやるんだったら、最後までそこに住み続けられるように減額措置を講ずるべきではないでしょうか。  それと同時に、公社には二四%の都営住宅階層の方がいらっしゃるということですけれども、一般の方々の減免は、生活保護基準の、それよりも収入が低くならないと特別な減額を受けられないということですが、それよりちょっと多い、生活の大変苦しい人が、やはりこの家賃を払わなきゃならぬということになれぱ、せっかくこの三十年間、この供給公社という、当時は大変高級な住宅だったようですけれども、そこへお入りになって、そしてコミュニティをつくって、自治会活動やさまざまなまちづくりを進めてきて、やはり今度の建てかえで出ていかなくちゃならぬ、こういうことになるわけですよね。
     本来、供給公社というのは、所得制限がなくてずうっといられるというのが建前だったわけでしょう。そういうこととも今度は違うようになってしまうという、これについてもやはり問題があるとか、納得できないというのが私は当たり前のことじゃないかと思うわけです。私は、ここでそういう意味では財政的な措置を講じながら、十五年という制限を取り払う、それから、公営住宅階層の方々にはこの特別減額を適用する、こういうことをぜひとも進めるべきではないかと思いますが、改めて一言お聞きしたいと思います。 ◯竹内参事 減額措置あるいは低所得、いわゆる一種のぎりぎりにひっかからない人に対する対策としては、不十分ではないかというご指摘でございますが、先ほど来申し上げておりますように、公社としてはできるだけの限界の中でこの制度をとっているということになりますし、また、東京都としましても、他の制度との均衝もございますし、財政的な面での限界というものもございます。  今後、居住者の方との話し合いを進める中で、誠意を持ってこの点についてのご理解を得ていきたいと考えてございます。 ◯西田委員 それでは、この問題は切りがありませんので、この程度にとどめておきます。  ちょっと時間もありませんので、簡単にお聞きいたしますが、今都営住宅では、建てかえ住宅の対象になった場合に、建てかえの対象になったところは計画修繕やりませんよというような方針が出されて、しかし、それじゃ困るという居住者の方々の要望があって、メニュー修繕とかというのが行われているとお聞きしておりますけれども、今度の公社住宅の場合、公社が住民の皆さんに配った紙を見て一番私が怒りを覚えたのは、いきなり指定しておいて、そして、あとは修繕はしませんよと書いてある。これは居住者の皆さんにとっては、おどしともとれるような中身じゃないかなというふうに思ったんです。  これは前にも申し上げましたけれども、そこで大井水神の場合に、建てかえの指定の直前には、元年度の外壁塗装の予算が載っていた。ところが、それがなくなってしまった。で、指定されていると。しかし、雨漏りも若干起こっている。だけれども、そういうのは直してくれないといっている、こういう話があるわけですが、私は、たとえ建てかえ対象になったにしても、雨漏りだとか、そういう基本的な、住むことについて重要な問題についてはきちんと対応すべきだというふうに公社に指導すべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯竹内参事 建てかえ決定によりまして計画修繕が取り消されるということでございましたが、公社といたしましては、資金の効果的活用を図るという点で、計画修繕だとか環境整備事業等を停止していくという方針を出されたようでございます。  しかし、居住者の方への説明の中では、ただいまのような雨漏りですとか漏水等、緊急性を有する修繕につきまして、また日常生活上必要な修繕は、これまでと同様行うということでご説明してございます。 ◯西田委員 それはぜひそういうことで取り組むように、さらに指導していただきたいと思います。  公社の間題は、時間がありませんので、この程度にとどめておきますが、あと若干、時間超過しておりますけれども、質問させていただきたいと思います。  複住総の問題なんですが、私どもは、この複住総というやり方は、さらに東京への一極集中を進めるものではないか、このように考えて、問題点をこれまでも指摘をしてまいりました。  都心三区には、そのボーナス容積率ですか、つまり事務所床としてボーナスをつける分については、事務所じゃなくて文化施設とか、その他の商業施設とかということで限定があるようですけれども、この新宿は事務所をつくってもいい、こういうことになるわけでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 市街地複合住宅総合設計制度の制度化に際しましての都市計画局の方の考え方としましては、いわゆる都心三区外につきましては、事務所も当然対象にしながら容積ボーナスを与えるということですので、新宿区につきましては基本的に対象になってくるということになってまいろうかと思います。 ◯西田委員 新宿も渋谷も、その他副都心といわれるところは、もうそれだけでもかなり、現在だって相当過密だ、集中が進んでいる、こういわれているわけですけれども、さらに、そのことによって、住宅に名をかりて一極集中を進めると私は考えざるを得ないわけですけれども、そういうふうにするというのは、やはり大変問題ではないかというふうに思います。  東京集中、一極集中というのは、都心三区への集中だけじゃないわけですよね。やっぱり東京全体への、あるいは東京圏への集中ということで、地価も高くなったし、家賃も高くなったし、建設費も高くなった、したがって家賃が高くなったというふうになってきているんではないでしょうか。どうして、さらに集中をするような方式をここでとらなければならないのか、これはお聞きをしたいと思います。 ◯岡本住宅政策担当部長 区部中心部で中堅所得層向けの住宅の供給を確保する、これは大変難しい課題でございます。住宅対策だけでなく、都市計画との連携というようなことなくして、そのような供給の可能性は出てまいりません。  そういった面から申しまして、例えぱ、新宿で新規に用地を買って住宅を供給すると、用地費だけで戸当たりもう億というけたになってしまいます。そういう状況を考えますと、どうしても高地価を反映しない形での市街地の中での住宅供給の手法ということが、やはり今必要でございまして、そのためには、東京の中での貴重な都市空間を最大限有効に活用する、こういう考え方がまた基本になってまいらなければならないと考えております。  そういう点から申しまして、従来から市街地住宅総合設計制度という制度がございましたけれども、これは住宅の供給に対しましてはいわゆるインセンティブになってまいりますが、それだけでは住宅部分の家賃がなかなか中堅所得層向けにならないというような問題がございました。  そこで、容積ボーナス部分につきまして、住宅用途と商業・業務系用途とセットでボーナス部分を利用できるということによりまして、全体の収益性を高め、そのことによって住宅部分の家賃をできる限り下げるという、まさに新しい工夫でありまして、この制度につきましては都市計画局の所管ですけれども、むしろ住宅局の方から再三再四要請をして、そういった工夫をしてほしいと要請をして、ようやく今日制度化されるというようなことになったものでございまして、これは、複住総の制度と組み合わせながら、各区の区民住宅の供給、この制度では借り上げ型公共住宅に当面限定するという前提ですので、区の方が期待する区民住宅の供給にもつながる、また、都民住宅の供給にもつながるということで、大変効果的な制度であると考えております。  したがいまして、いわゆる一極集中問題とは別の論議として、要は、どうすれば既成市街地の中で中堅所得層向けの住宅が供給できるか、その供給手法そのものにかかわる問題だということでご理解を賜りたいと思うわけであります。 ◯西田委員 先ほども、この制度が本当に機能するのかという疑問が出されました。私は、非常に小手先のといったらいいんでしょうかね、何というんでしょう、こういうの──そういう施策じゃないかなというふうに思うんですね。  企業がなぜ東京へ集中するのか、これについてはどのようにお考えですか。 ◯岡本住宅政策担当部長 基本的に、東京が他の都市に比べて経済的活力にあふれ、文化的魅力の高い、すばらしい都市であるからこそ、またそれが集中を招き、その集積の効果がまた循環する形で集中を招く、そういうようなことが基本的な要因であろうと思っております。 ◯西田委員 実は、東京集中問題調査委員会報告の「均衝のとれた東京の成長をめざして」、ここにはこのように書いてあるんですよね。  社会的コストと集中メリットというところで書いてあるわけですけれども、東京というのは他の都市と比べて、札幌とか仙台、名古屋、大阪、広島、福岡、東京ということで比べて書いてありますが、「オフィス賃料は東京が最も高い。しかし、地方に立地する企業は権限や情報が集中する東京と頻繁に連絡をとらなければならないため、そのための通信・交通コストや時間コストを加えると東京立地が最も有利になる。」こう書いてあるんですね。ここにグラフもかいてありますけれども、東京が一番コストが安いわけですよ、この限りではね。一番安いんですよ。だから集中するんでしよう。  それから、もう一つ書いてありますけれども、社会的コストを加えた本社立地コストの比較というのがあるんですね。ここでは、通勤コストとか住宅取得コスト、こういうのを立地コストに加えますと、今度は、東京というのは必ずしも企業にとってメリットのあるところではないんですね。これは第三位になりますよね。立地コストが、これで一人当たり年間約五百万円の経費がかかる。これは本当に札幌なんかに比べたら、三分の一ぐらいのコストですよね。だけれども、この通勤コストと住宅取得コストを入れますと、約千二百万円かかるんですね。二倍以上かかるわけですよ。そして、札幌が一番ですけれども、東京が三番目になるわけですね。こういうことになるんですね。  で、ここで何と書いてあるかといえば、「ところが、これに混雑通勤を解消するために必要なコストや従業員の住宅取得コストを加えると、図2-4のように一転して東京の立地コストはかなり上昇し、立地メリットは大幅に減少してしまう。」こういっているわけです。  つまり、企業にとっての今日の東京立地の有利性は、生活者の不利益改善のコストを企業が負担しないことを前提に成立しているというふうに、この都市計画局のつくった「均衝のとれた東京の成長をめざして」という、この冊子に明確に書いてあるわけですよね。  つまり、住宅取得コスト、通勤混雑解消のためのコスト、こんなものは企業は負担しないから、安くて集中するメリットがある、こういってるわけですよね。そこへ今度は、今行おうとしている複住総というのは、全く逆のことをやるんじゃないですかね。さらにもっと容積率をボーナスしてメリットを与えてあげる。同じ東京都の中で、都市計画局がつくられたといったけれども、これで指摘していることと、この複住総というのは全く逆のことをやっている。つまり、本当に大企業である、この企業に、やっぱりそういう住宅取得コストや通勤混雑緩和の、こういう負担をきちんとさせることが、この一極集中を解消する道だということを、アメリカの例を引いて、これでは明確に示しているわけですよ。  私は、これは全く、今容積ボーナスをあげるなんていうやり方は違うんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。ここに書いてあることと逆さまだと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯岡本住宅政策担当部長 先ほど申しましたように、要は、既成市街地の中で高地価を反映しない形でどうやって中堅所得層向けの住宅を供給するか、その供給手法を開発するという問題と、東京へのいわぱ一極集中問題の、まさに都市構造全体にかかわる全体問題とを同一にすることはどんなものだろうか、私はそのように思っております。  現実に、とりわけ都心区から、公的な住宅の供給の拡大に対する要請が大変強いわけです。そういったような各区の要請にこたえるという観点からも、市街地複合住宅総合設計制度はぜひとも必要な制度である、このように考えております。 ◯西田委員 つくってくれって強力に要請した方ですから、平行線の話になるだろうとは思うのですけれども、私は、東京都が今の集中問題をどうやって解決するかというので真剣に考えて、こういう提起をやっている、それと全く逆のことをして、もっと甘いあめを与えるなんていうやり方になったら、さらに企業が集中してくるに決まっているじゃありませんか。この同じ中に、区部におけるオフィス供給の減速というのがあって、こういう絵までかいてあって、どういう考え方に立ったらいいかっていうものまで指摘しているわけですね。四〇〇%以上の高容積率のところ、これは要するに指定容積率ですね、それの半分程度を基準容積率として、それ以上を使う場合には開発の許可を必要とするということまで、ちゃんとそういう考え方まで示されているではありませんか。  私たちは再三再四申し上げてまいりましたけれども、やっぱり特住総とかいろんな手法を使いまして、どんどん、どんどん容積率を上げて、企業にメリットを与えてきた、こういうことが一極集中を促進して、だからこそ地価が上がって、建築費が上がって、家賃が上がって、都民が追い出されたんじゃないですか。これを変えない限り、どんなに小手先でいろんなことをやったって、メニュー並べたって、都民の住宅問題は解決しない、このようにいわざるを得ないというふうに思います。  そういう点では、今お答えをいただいても、先ほどの答弁の繰り返しになるでしょうから、いただきませんけれども、やはり私は、住宅問題一つ考えたって、根本の問題を正さないでメニューだけ並べたってだめだということをしっかりと据える必要があるんじゃないかというふうに思いますが、この点は局長さんいかがでしょうか。 ◯林住宅局長 先ほど来いろいろご議論いただいているわけでございますが、岡本政策担当部長がご答弁申し上げましたとおり、やはり一極集中問題というふうなものは都市構造全体にかかわるような問題でありますが、複住総につきましては、何としてでも都心に住宅をつくっていきたい、都心の居住を回復したいという、各区の非常に熱い期待があるわけでございますね。この各区の期待にこたえて、できるだけのメニューをそろえて、何とかして人口を呼び戻したいという念願から、こういったような制度を都市計画局にお願いしてつくっていただいた、こういう経緯があるわけであります。  市住総という制度も、もちろんこれまでかなりの実績を上げているわけではございますけれども、やはりどうしてもそれだけでは足らない。特に家賃の問題で、一つの大きなネックもあるわけでございますので、この辺のところを打開して、アフォーダブルな家賃で入れるような賃貸住宅を提供していくというのが、この制度の基本的なねらいでございます。ご理解賜りたいと存じます。 ◯西田委員 最後になりますが、一言、住宅基本条例に関連して意見を述べたいと思います。  今私が申し上げたような立場に立ちますと、本当にメニューを住宅基本条例に並べればいいということにはならないだろうというふうに一つ思います。  もう一つは、東京都は、先ほど来申し上げておりますように、低所得者を中心にした住宅困窮者に適正な家賃で住宅をきちんと保障する、そういう責任を明確にする必要があるというふうに思うのですね。何か、先ほど来の議論を聞いておりますと、区市町村との役割分担、これが前面に出ているような感じがしてならないわけですけれども──それはそれでもちろん大事です、区市町村が住宅行政をやる主体者として、これからちゃんとしていかなきゃならないというのは当然のことですけれども、それ以前に、まず東京都は、東京都の責任、役割を明確にする必要がある、このことは申し上げておきたいと思います。  そういう意味では、先ほども申し上げましたが、いろいろなメニューがあるけれども、結局解決にならないようなことを並べて権威づけるというか、オーソライズするというか、そういうことでは意味がないんでありまして、例えば、さっきも議論になりましたけれども、企業に低家賃住宅の附置義務を、要綱ではなくてちゃんと条例できちんとする、こういうことこそまさに住宅基本条例のやるべきことではないかというふうに思います。土地基本法なんかでも、土地の主権には制約がある、こういって借地借家法改悪までやってのけたわけですから、もしそれをいうならば、まさに大企業のこの土地にこそ、主権にこそ制約を加えるべきだということを述べて、終わりたいと思います。  以上です。 ◯坂口委員 時間がもう、五時三十分回っております。一問だけいたしまして、局長に一答していただきまして、終わりたいと思います。  今の論議の続きなんですが、結局のところ都心への一極集中の是正、これは業務機能の集中といいかえてもいいわけですが、それと他方における都心定住の回復ですね、これを図る突破口といいますか、この解決の手法は何か、今の論議の最後の部分ですね、これは、僕はずばりいって都市の成長管理、都市の管理しかないと思うのですね。先ほど部長が、市複住総、新しい制度ですが、説明した際にちょっと触れているのです。僕はそこのところを重視したいのです。恐らく部長の頭の中にそれがあるのでしょうけれども、国の動向を見守らざるを得ない、そういうところがあると思うのです。これとダウンゾーニングを組み合わせることができるかどうかということですね。今のこれですと、住宅もふえる可能性があるのです。しかし、業務機能もさらにふえていく可能性があるわけですよ。つまり、拡大のための政策なんですね。業務機能もふえる、そして住宅も何とかふえるだろう。それは企業に対するインセンティブですとか、さっきいいましたが、業務収益を住宅家賃の低減に結びつける──これ具体的にどうやるのか聞きたいのですが、きょうは省略いたします。ちょっと突っ込まないとまずいと思うのですね、負担金制度ですとか協力金制度、今出てまいりましたけれども。それらと関連してどうやるのか突っ込まなくてはならないところなんですが、このプランといいますのは、繰り返しになりますが、業務機能もふえる、なおかつ住宅もふえていく、そういう方向づけをするものですね。  そこで、今みたいな、既にもう一極集中ではないか、業務機能がいっぱいではないか、人がどんどん追い出されている。したがって、業務機能を圧縮すべきではないか、そういう問題に対してどう答えるかといったら、これはダウンゾーニングしかないのですよ、はっきりいうと。ですから、それはもっというならば、均衡PTのいわんとすることは何かというと、都市の成長管理政策ですね。それを東京においても導入しなさい、または導入する可能性を見出しなさいということをいっているわけです、総体としては。それに踏み込めるかどうかということです。それに踏み込めるとすれば、この政策も、業務機能をある程度圧縮しながら住機能を回復していくということができる手法になっていくと思うのです。  したがって、僕は何をお聞きしたいかといいますと、複合空間活用型区民住宅支援事業、こんなものもつくられました。苦肉の策だと思うのですね。僕も種地種空間論を繰り返し繰り返し、くどいほどやってまいりましたが、ただ、これでできるのは一万三百戸ぐらいの住宅だと思うのです、表を見た感じですと。  それから優良民賃ですね、家賃の論議がいろいろありました。これも一つの準公共住宅、公的住宅のすそ野を広げる意味で、ドイツのゾチアルボーヌンク、その他スエーデンのいろいろな家賃制度を見て生み出した苦肉の策だと思うのです。ところが、十年間のストックで見ると、これはもう前の論議でもやりましたし、今回つくりましたこの本にも収録させていただいたのですが、そのストックというのは、十年間で一二%ぐらいにしかならないのですね。ベルリンですとかロンドンの四〇%とか三〇%というような、全体の市場を支配するような力を持つまでにはまだまだ至らないというのが実態だと思うのです。しかしながら、それなりにメニューは用意されたということであろうかと思います。  そういう中で今論議をして、住宅局としてどこまで局内のコンセンサスを得て──具体的にはこの均衝PTというのは都市計画局の所管でやられていることですから、都市計画局に対してどこまで強い態度でダウンゾーニングの必要性を、そしてまた定住機能の回復を要請していくことができるか。また、国に対して、今中間報告が出ている段階であるわけですけれども、最終報告に向けて、東京都をして成長管理政策の導入の必要性、もっと具体的にいうならばダウンゾーニングの必要性ですね、それをいかに訴えていくことができるかというところが恐らく勝負だろう。ここできちんとダウンゾーニングの可能性が盛り込まれた都市計画法が打ち出されないと、取り返しがつかないことになってしまうのではないかという危慎の念を私は持ちます。  そんなことを含めまして、住宅基本条例についてもいろいろ論議があったわけですけれども、これはまた次の機会に譲りたいと思っておりますが、今出てまいりました成長管理というようなものを住宅基本条例の中に何らかの形で、方向性だけでも盛り込んでいくかどうかというのは大変大きな論点の一つになると思います。それから、今出てまいりました協力金の問題、負担金の問題、または附置義務の問題ですね。グレードからいったら、附置義務、協力金、恐らく負担金と、こういう順序になるのでしょうけれども、そういう問題。これは開発利益の還元といってもいいですね。  それからもう一つは、重要な問題ですが、居住水準の問題ですとか家賃の問題、それからアメリカなどで見逃してならないのは、ノンプロフィットデベロッパーといいますか、非営利団体といいますか、または近隣住民組織といいますか、そういう住民参加の問題ですね。これも大変大きなポイントであろうと思います。それから住宅基本条例の理念ですとか、特に、先ほど外国人の居住権ですとか、高齢者とか障害者の居住権の問題が出たわけでございます。  こういったものがやはり重要な論点になってくるのではないかと思うのですが、それらについてはまた論議をする機会があると思いますので、ひとまずおくことといたしまして、住対審の意見具申でも出されました、一八ページだったと思いますが、「一定地域における容積率の一時凍結と住宅供給等に資する優良計画に対する容積率の優遇措置の導入については、区部中心部における居住機能の確保に資する提案であり、当審議会として賛意を表することを付言したい。」これは住対審の答申でも出されたわけでございますが、また知事の答弁でも、職と住との均衝回復を目指す都市づくりのための条例、ガイドライン等の検討を行うと。これは第二回定例会でございますが、こういう答弁がありますし、また、容積率の一時凍結の制度については、区部中心部などにおいて良質な市街地住宅の供給を確保する上でも有効な方策である、これは第三回定例会におきまして、私どもの代表質問及び一般質問等において出されたものでございます。  これらを踏まえて、局内はもちろんですけれども、東京都全体として、成長管理政策の導入なり、または都市の管理といっていいと思うのですが、それに対してどのような態度で臨んでいかれるのか。また国に対して、今ちょうど重要な時期だと思うのですが、都市計画中央審議会に対して、住宅局をして、また都市計画局をして、東京都をして、この問題について具体的な申し入れをしていくぐらいの決意でいきませんと、機を逸してしまうのではないかいう危慎の念を持つわけでございますが、局長のお考えと決意のほどを伺いまして、一問だけでございますが、私の質問とさせていただきます。 ◯林住宅局長 成長管理政策についてのお尋ねでございますが、成長管理政策というのは、アメリカ等で実施に移されているところもあるわけでございまして、例えぱニューヨークでいきますと、ニュータウンのところを平均的に容積率が一五〇〇%ぐらいのところを二〇%カットする、その分マンハッタンの西の方が開発を促進するというふうな意味合いにおいて、一五〇〇を一八〇〇%までの容積率にするとか、そういったような形で具体的な──これは時限的な政策でございまして、一九八二年から八八年までの政策でございましたけれども、そういった時限的な政策ではありますけれども、都市の成長を容積率のコントロールによって管理するといったような形での政策が具体化されておるわけでございます。  そういうことにつきましては、私どももかねがね注目しておったわけでございまして、そういう面で都市計画局あるいは企画審議室等も含めてさまざまな形で研究し、勉強を続けてきたわけでございます。現在、企画審議室、都市計画局が中心になりまして、いわゆる均衡PTというものを設置しまして、いろいろな問題についてもさらに具体的な検討を詰めておるところでございまして、近く報告が出るというふうにも伺っておりますし、私ども住宅局の担当部長もそのPTの中で討議に参加しているわけでございます。したがいまして、私ども住宅局の立場からいたしますと、そういうPTの報告、この成果を待ちたいというのが基本的な考え方でございます。  それで、住宅問題につきましても、今いろいろお話ございました。国の方の動きも最近非常に急でございまして、例えば都市計画中央審議会の中間報告によりますと、容積率のダウンゾーニングという直接なダウンゾーニングではないまでも、現在の使われている容積率、大体四二%ぐらいしか使われてないわけでございますが、実際現在使われている容積率に凍結して、それでいろいろな住民参加によりまして、地区計画等によりましていいプロジェクトが出た場合には、満度いっぱい、現在の指定容積率を使わせるといったような事実上のダウンゾーニングなども検討されて提案されておるようでございます。この辺の推移も十分見きわめて、そういったような政策が次第に具体化していくような流れに現在なってきているのではないかというふうな感想も持っておるところでございます。  住宅局の立場からいたしますと、直接私どもは長期計画に与えられました三十五万戸の公的住宅、あるいは、都が指針または関与する住宅三十五万戸の大きな目標を与えられておるわけでございますので、先ほど先生お話がありましたような、優良民間賃貸住宅八万戸だとか、さまざまな手法を通じまして、三十五万戸の与えられた目標を精いっぱい住宅局一丸となって達成していきたい、このように考える次第でございます。 ◯大沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯大沢委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。  以上で住宅局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後五時五十一分散会...